この記事では、冬に使える季語を一覧で紹介します。
季語とは季節ごとの風景や行事から連想される情感を言葉として表したもので、手紙や俳句では、読み手に情景を思い浮かべてもらうためにとても重要な役割があります。
たとえば、冬の季語に12月を表す「師走(しわす)」という言葉があります。
手紙では単純に「今年も12月になりましたが…」と書き出すよりも、「今年も師走の季節となりましたが…」と書き出したほうが、年末の時期のあわただしくも楽しい気分が伝わる感じがしますよね。
これが季語という表現がもつ特性です。
以下では、冬に焦点をあてて、俳句や挨拶文に使う季語の表現について解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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季語【冬に使える表現一覧】
冬に使える季語の一覧
- 冬籠り:~冬になると寒さのため、家にこもりがちになること。
- 立冬:24節季のひとつ。新暦11月8日頃。暦のうえではこの日が冬の始まりとされる。
- 初冬:冬の初め。立冬を過ぎた頃をさす。
- 冬の雷:~冬に鳴る雷。回数は少ない。
- 冬ざれ:冬になって景色が荒涼として見えること。
- 霜夜:霜が降りた寒い夜のこと。
- 冬の夜:寒い冬の夜に感じる静けさ、重々しさなどをいう。
- 冬の空:晴れ渡った青い空、重苦しい曇天など、冬の空全般をさす。
- 年の瀬:1年の終わり頃の慌ただしい時期をいう。
- 年用意:新年を迎える用意全般をさす。
- 忘年会:1年の終わりに親しい仲間が集って、その年の慰労をすること。
- クリスマス:12月25日。イエス=キリストの降誕を祝う行事。街は華やかな賑わいに包まれる。
- 除夜の鐘:大晦日の夜に各地の寺院で108回鐘を撞く行事。
- 寒の入:寒さの厳しい時期にあたる寒に入る日のこと。
- 小寒:二十四節季のひとつ。寒に入った日のこと。
- 大寒:二十四節季のひとつ。小寒が終わった次の日から暦上の春である立春までの期間。1年のうち、もっとも寒さが厳しい季節とされる。
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手紙の挨拶文に季語を使おう!
手紙を書く際には、挨拶文として「時候の挨拶」を入れるのが一般的です(~の候とか、~のみぎりといった表現のことです)
時候の挨拶は、あなたの手紙を読む人に季節感を感じさせ、手紙の内容にぐっと臨場感を持たせることができるようになるのです。
時候の挨拶では季語を用いた表現にする必要があります。
冬の季語を使った挨拶文の例として次のようなものがあります。
挨拶文に冬の季語を入れる例
- 師走の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 年の瀬もせまり、慌ただしい日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
- 厳寒のみぎり、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
- 木枯らしのふきすさぶこのごろ、皆様にはおかわりございませんでしょうか。
- 初冬の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
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冬の季語を使った俳句の例:季語の魅力を探る
俳句は季語を中心に置いて作られてきた日本の詩です。
ここでは、その中から代表的な冬の俳句を紹介して季語の魅力を探ります。
- 薪をわるいもうと一人冬籠 正岡子規
- 音たてて立冬の道掃かれけり 岸田稚魚
- ひとつづつ霜夜の星のみがかれて 相馬遷子
- きびきびと応ふる寒に入りにけり 松本たかし
- また一つ風の中より除夜の鐘 岸本尚毅
正岡子規の句からは、薪をわる乾いた音が響く冬の日に、どこにも出歩くことができない作者の葛藤がうかがえます。
また、相馬遷子の句では、星のまたたく冬の夜空の冷たさを霜夜という季語が際だたせています。
さらに、岸本尚毅の句からは、冬の寒さだけではない大晦日という年をまたぐ夜の厳粛な雰囲気すら漂ってくるのです。
いずれも季語という言葉のもつ力ですね。
季語は短い言葉で事象の本質をつき、それを読む者の心に鮮やかなイメージを展開させることができるものなのです。
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手紙の書き出しには時候の挨拶は必ず必要?
結論から言うと、季節感を感じさせる表現があるほうが、手紙はぐっと良いものになります。
例えば、「拝啓 厳寒のみぎり、皆様にはいかがおすごしでしょうか」の文から時候の挨拶をはずすと、「拝啓 皆様にはいかがおすごしでしょうか」となります。
両者を比較すると、ずいぶん印象が違うことに気が付くのではないでしょうか。
時候の挨拶がないと、単なる安否確認だけの文章となり、相手に無味乾燥な印象を与えてしまいます。
反対に季語を使った時候の挨拶が入ることで、季節感を感じてもらうことができます。
さらに相手への思いやりの心をも表現することができるのです。
単純に、元気?とたずねるよりも、すごく寒いけれど、元気ですか?というほうが、より相手の気持ちによりそうことができますよね。
それと同じで、季語を使うことによって、こちらの気持ちを届けることができるのです。
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まとめ
今回は季語のなかでも冬に焦点をあてて解説しました。
季語は日本文化の本質を短い言葉で表現した宝物です。
日本の文化に興味のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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