テレビで将棋観戦をしていると、プロ棋士の名前のあとには段位を付けて呼ぶのをよく見かけると思います(木村一基九段、藤井猛九段など)
この中でも「九段」はプロ棋士で最も高い段位なのですが、実際にはどれくらいの実力を持っているのか?は気になるポイントですよね。
今回は、将棋の九段のすごさや昇段する条件、最年少記録などを紹介します。
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将棋の九段とは?どのぐらいのすごさなの?
将棋の九段(くだん)は、現役プロ棋士の段位の中で最も高い段位です。
四段からがプロ棋士となりますが、九段より上の十段という段位はありません。
「十段」は過去のタイトル戦のタイトル名称で、現在でいう「竜王」に当たりますから、今後新しく十段位が生まれることはありません。
つまり、九段の段位を持っている時点でごく一部のトップ棋士ということになります。
ただし、最高段位である九段を持つプロ棋士は複数いますので、九段の棋士の中にも実力の違いはかなりあると考えられます。
たとえば、タイトルを通算100期近く獲得している羽生善治さんの段位は九段である一方で、タイトルを一度も取ったことがない九段もいます。
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将棋の九段なるには?昇段条件について
日本将棋連盟のホームページによると、九段になるための昇段規定は以下のようになっています。
将棋の九段に昇段するための条件
- 竜王位2期獲得
- 名人位1期獲得
- タイトル3期獲得
- 八段昇段後公式戦250勝
上の条件にある「竜王位」とは、将棋の竜王戦でタイトル保持者に挑戦して勝利した場合に獲得できるタイトルですね。
「名人位」も同じく名人戦のタイトルです(名人位については1回でも獲得すればその時点で九段に昇段します)
竜王位と名人位は他のタイトルと比較して序列が圧倒的に高いので、タイトルを保持した期数が少なくても九段になれる仕組みになっているのです。
タイトル戦は比較的若い人でも挑戦できますから、若くて実力のある人の中には九段をすでに持っている人もいますね。
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タイトルを取ったことがない人も九段に昇段するケースはある
また、タイトルを一度も取ったことがなくても、八段に昇段した以後に公式戦で250勝すれば九段に昇段することができます。
プロ棋士にはタイトル戦に強い人、リーグ戦に強い人などいろんなタイプがいますから、それぞれのタイプに合わせて実力を判定しようという日本将棋連盟のスタンスが見て取れます。
このように、九段に昇段するためには圧倒的な戦績(他の棋士に勝ってきたという実績)が必要になりますので、九段の段位を持っている人はそれだけで「ものすごく強いプロ棋士」と考えて問題ありません。
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将棋の九段の人数は何人いる?
現在、九段の段位を持っているプロ棋士は合計で28人です。
九段の段位を持っている棋士は、日本の将棋界で上位30位の中に入るトップ棋士ということができるでしょう。
九段の段位を持つプロ棋士
- 羽生善治(竜王)
- 佐藤天彦(名人)
- 渡辺明 (棋王)
- 久保利明(王将)
- 谷川浩司(十七世名人)
- 佐藤康光(永世棋聖)
- 森内俊之(十八世名人)
- 桐山清澄
- 南芳一
- 高橋道雄
- 青野照市
- 田中寅彦
- 藤井猛
- 塚田泰明
- 丸山忠久
- 郷田真隆
- 小林健二
- 森下卓
- 屋敷伸之
- 福崎文吾
- 中村修
- 島朗
- 深浦康市
- 井上慶太
- 三浦弘行
- 先崎学
- 鈴木大介
- 木村一基
なお、以下の人たちはタイトル保持者ですが、まだ九段は持っていません。
九段には至っていないタイトル保持者
- 豊島将之(棋聖):八段
- 高見泰地(叡王):七段
- 菅井竜也(王位):七段
- 中村太地(王座):七段
九段の段位を持つ人のうち、7人がタイトルを持っている!
九段の段位を持っている28人の棋士の中で、過去または現在にタイトルを獲得した記録がある人は7人です。
この7人の中には永世七冠を達成した羽生善治さん、羽生さんと竜王位を取り合った渡辺明さん、日本将棋連盟の前会長で永世竜王の谷川浩司さんなどがいます。
最近はインターネットのアベマTVで将棋の公式戦を中継していることが多いですが、解説に立つのは九段の棋士も多いですね。
特に木村一基九段、藤井猛九段、渡辺明棋王はユーモアがあり解説もわかりやすいため人気があります。
また、九段の棋士になると将棋関連の書籍で題材にされることが多く、自身が出版社から書籍を出版していることも多いです。
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将棋の九段の最年少記録は?
九段昇段の最年少記録は、現在は棋王のタイトルを持っている渡辺明さんの21歳7ヶ月です。
渡辺明さんは2004年の第17期竜王戦で当時の森内俊之竜王に勝利して竜王位を獲得しています。
その翌年最初のタイトル防衛戦で挑戦者の木村一基九段に勝利して竜王位を防衛し、竜王位2期の規定で九段に昇段しています。
なお渡辺明さんが初めてとったタイトルは2003年9月の王座戦で、初タイトルの獲得が19歳となり、これは史上3番目の記録となります。
渡辺明さんはその後も竜王位を何度か防衛して初代の永世竜王となっています。
その後羽生善治さんと長期間竜王位を争っています。
まとめ
今回は将棋の九段について紹介しました。
本文でも見たように、九段に昇段できるのは「歴戦の棋士」だけですから、九段の肩書がある人たちは実力やタイトルを持ったトップ棋士ということがいえるでしょう。
将棋の世界では若い人でもタイトルに挑戦することができますから、最年少の記録などを追いかけるのも楽しいですね。
棋士それぞれの戦績や過去のエピソードなどに注目すると、将棋観戦はもっとおもしろくなりますよ。
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