- 「ませてる」ってほめ言葉?
- 娘が近所の人に「ちょっとおませさんだね~」なんて言われたけど、ほめられているのかばかにされているのかわからなくてもやもやする…
こうした経験がある方、多いのではないでしょうか。
この記事では、「ませてる」という言葉の意味について具体的に解説いたします。
「ませてる」はほめ言葉ではない!
結論から言うと、「ませてる」という言葉はほめ言葉ではありません。
「ませてる」という言葉は、小さい子どもに対していう場合には「かわいらしい」というニュアンスも含まれて使われます。
しかし、小学校高学年~中学生に対していう場合には「かわいらしい」というニュアンスはなく、マイナスの意味で使われることが多いのです。
私自身、小さいころよく「ませてる」と言われていて、「ほめられてるのかなあ」「からかわれてるのかなあ」と疑問に思ってはいました。
あらためて調べてみると、マイナスの意味の方が大きいことを知ってちょっとがっかりです…。
「ませてる」の意味と使い方
↓「ませてる」のもともとの意味は、次のとおりです。
「ませてる」の国語的な意味
(子供が)年のわりに大人びた言動をする。(大辞林第三版)
辞書の意味からは、大人びた言動をしている子どもに対して使う言葉だとわかります。
「ませてる」という言葉の意味と、その使い方を具体例を使って見ていきましょう。
ませてる=ませている
「ませてる」は、正しくは「ませている」で、「ませる」という言葉(動詞)を「している」状態です。
たとえば、「痩せる」という言葉(動詞)を「している」状態にすると、「痩せている」になりますよね。
「ませる」と「ませている」は、これと同じ関係です。
ませてるという言葉を使う具体的な場面①:プラスの意味で使われる場合
次に、使われ方をその時々の意味をあわせてみていきましょう。
例えば、このような場面を想像してみてください。
小さい女の子がお母さんの真似をして、お化粧をしています。
そのようすを見たお祖母さんが、「小さいのにお化粧なんかして、今の子はませてるわね~」と笑顔で言ったとします。
このときのお祖母さんの気持ちは、
- 大人の真似をしてお化粧をしていることに、驚いている
- 大人の真似をしていることをかわいらしく思っている
- そのかわいらしさを少しからかっている
ということでしょう。
そうすると、このときはほめてはいるわけではないが、マイナスの意味もないことがわかりますね。
ませてるという言葉を使う具体的な場面②:マイナスの意味で使われる場合
では、上の場面で、お祖母さんが怖い顔で「小さいのにお化粧なんかして、今の子はませてるわね~」と言ったとしたらどうでしょうか。
このときのお祖母さんの気持ちは、
- 大人の真似をしてお化粧をしていることに、マイナスの感情(子供らしくない…)を抱いている
ではないでしょうか。
このときは、マイナスの意味で「ませてる」という言葉が使われていますね。
(もちろん、母親にとって子供が成長して大人びてくることはうれしいことですのであくまでも例です)
ませてるという言葉を使う具体的な場面③:小学校高学年~中学生の相手に使う場合
小学校高学年~中学生に使われた場合はどうでしょうか。
この場合は、「小さい子どもが大人の真似をしてかわいらしい」というニュアンスは減りますので、基本的にはマイナスの意味で使われることが多いでしょう。
小学校~中学校の相手に対して「ませてる」という言葉を使うことは基本的には避けたほうがよさそうです。
もし、子どもが大人びていることをほめる場合には、
- 「あの子、まだ小さいのにきちんと挨拶ができて大人びているわね」
- 「小さいのにひとりでお留守番ができて、しっかりしているわね」
というように、「大人びている」「しっかりしている」という言葉が使うと良いです。
「ませてる」の類語
ここでは、「ませる」の類語を見ていきましょう。
「ませてる」の類語
- 「大人ぶる」:いかにも大人のように振る舞う。
- 「こましゃくれる」:子どもが大人びているようす。小生意気である。「こまっしゃくれる」「こまちゃくれる」「こまちゃっくれる」ともいう。
- 「ひねる」:大人びてかわいらしさがなくなる。
それぞれマイナスの意味が含まれる場合とそうでない場合がありますので、状況に応じて使い分けましょう。
まとめ
今回は「ませてる」の意味について解説しました。
本文で紹介しましたが、「ませてる」はほめ言葉では使われません。
「ませてる」に、マイナスの意味が含まれるかどうかは、その時々に判断しましょう。
また、「ませてる」にマイナスの意味が含まれる以上、他人に「ませてる」を使うときは、十分に注意してください。
今まで、自分や自分の子どもが「ませてる」と言われて、もやもやした経験のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。