日常生活で、家族や友人に「これだけはどうしてもやめてほしい」と思っていることはありませんか?

もしかしたらそれはアンダーマイニング効果でやめさせることができるかもしれません。

アンダーマイニング効果とは、「褒美がなくてもやっていたことで褒美をもらうようになると、褒美がなくなったらやらないようになる」という効果のことをいいます。

アンダーマイニング効果を知らないと、褒美をあげて褒めて伸ばすつもりだったことがダメにしてしまうことも考えられます。

この記事では、そんなちょっと不思議で奇妙なアンダーマイニング効果を簡単にご紹介します。

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アンダーマイニング効果と心理学・行動経済学

アンダーマイニング効果

アンダーマイニング効果を簡単に言うと「報酬がないとやらなくなる」ことです。

ただしこれは自ら取り組んで行っていたこと限定です。

例えば靴下を部屋に脱ぎっぱなしにするのをやめて欲しいからといって、床の上に落ちている靴下を見る度にお金を払ってもやめてはもらえません。

アンダーマイニング効果は主に2つのことに活かすことができます。

それは「やめさせること」と「やめさせないこと」です。

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アンダーマイニング効果でやめさせる方法

例えばあなたは主婦で、夫にプラモデルの趣味をやめて欲しいとします。

このときアンダーマイニング効果の理論から言うと、夫がプラモデルを買ったり完成させたりするたびに「ご褒美」をあげるとやめさせることに効果的になります。

ただしご褒美をあげているうちはやめてもらえません。

やめてもらえるのはご褒美をあげるのをやめたときです。

晩御飯を好物にするもよし、プレゼントを送るもよし、晩酌するもよし。

ですがいずれはストップするご褒美ですので、理由付けも含めてストップさせやすいご褒美が良いと思われます。

それから物質的報酬でなくてはいけません、気持ちや言葉だけではダメです、物にしましょう。

できればお金が一番手っ取り早くて効果的です。

よく怒った妻が夫のフィギュアを無断でまとめて捨てたとかテレビに出ますが、そうしたくなってもとりあえずこちらを試してみてください。

信頼していたはずの相手から自分の意思を尊重せず無視して行動されるというのは、趣味を邪魔されること以上に傷つきます。

強硬手段に出る前に、まずはアンダーマイニング効果からいかがでしょうか。

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アンダーマイニング効果でやめさせない方法

寧ろアンダーマイニング効果で気を付けるべきなのはこちらの方。

特に子育てで顕著なことです。

お子さんに素晴らしい絵や音楽の才能があり、誰かが何かを言ったりしなくてもお子さんが進んでそれに取り組み何より楽しそうにしているとしましょう。

あなたはそれを大変喜ばしく思い、その趣味がお子さんの一生を豊かにして支え続けるものとなってほしいと願います。

ですがだからといって「絵を1枚描くたびに10円上げる」といったことをしてはいけません。

もしそうしてしまうと、子どものやる気は絵が楽しいからという想いからお金に移っていきます。

そしてそのうちお金がもらえなくなると絵を描くことをやめてしまいます。

もしあなたが子どもの才能を伸ばしたいと思ったら、その才能に対して物やお金をあげてはいけません。

ただ物質的報酬でなければ全然大丈夫なので、もしお子さんの才能を伸ばしてあげたいと思ったら代わりにうんと褒めてあげましょう。

精神的な報酬であればアンダーマイニング効果は起こりません。

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アンダーマイニング効果の実験例

どんな心理学用語にも、それを証明するために行われた実験があります。

今回はアンダーマイニング効果を証明するために行われた実験からアンダーマイニング効果の特徴を見ていってみましょう。

例1・具体的にどれくらい効く?

アンダーマイニング効果を証明した実験はソマパズルというものを使った実験でした。

内容は以下のようなものです。

  • ①グループAとグループBに分かれて、ソマパズルを解いてもらう。
  • ②グループAにはソマパズルが1つとける度にお金を払うが、グループBには何もしない。
  • ③実験開始から8分後に試験監督が離席し、その間報酬は出ないので部屋にある雑誌を読んだり好きなことをしても良いと告げて部屋を出る。
  • ④試験監督がいない間のグループAとグループBのパズルへの取り組み具合を調べる。

みなさん結果は予想できましたか?

正解はもちろん「グループAはパズルをしなくなる」です、話の流れでわかっちゃいますよね。

グループAにとってパズルはお金をもらうという目的のための手段にすぎません。

ですがグループBにとってはパズルを解くことが目的そのものなので、モチベーションが下がらないのです。

目的と手段を一致させることがやる気を保つための秘訣というわけですね。

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例2・どれくらいで効果がでる?

次は園児に絵を描いてもらう実験です。

グループA・B・Cに分かれて園児に絵を描いてもらいます。

このときの条件は以下の通り。

  • グループA:「上手に描けたら賞状をあげる」と言って賞状をあげる
  • グループB:事前には何も言わず、絵を書き終わったら賞状をあげる
  • グループC:何もしない

このとき、2週間後に絵を描かなくなったのはグループAだけでした。

賞状をあげるという約束がかなり効き目を上げていたことになります。

報酬によってやる気が左右される要因の大きな部分を「期待感」が占めているんですね。

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アンダーマイニング効果を勉強や仕事に応用する方法

アンダーマイニング効果を理解することで自分や周りのモチベーションを上げることはできるのでしょうか?

アンダーマイニング効果を実践的に活用する方法について見ていってみましょう。

アンダーマイニング効果の予防

例えば経済行動学の観点からはブランディングなどにアンダーマイニング効果が関連付けられることがあります。

ブランド品というものは他の製品に比べると実用品や価格よりも「ファンだから」買う、という動機が大きいもの。

ファンだから、つまり好きだからしているということです。

これは純粋で自分の内から来る動機、モチベーションです。

つまりこのことに対して報酬を払うとアンダーマイニング効果が起こります。

ファンで居ることにお金や報酬が払われるとファンで居るモチベーションが下がるということですね。

これによって客が離れていってしまいます。

なのでブランド的には「会員の方には10%キャッシュバック!」といったキャンペーンは一長一短の諸刃の剣。

よくブランド品が高値のまま客に媚びたりせずひたすら突っ走っては「黙ってついてこい」という雰囲気を醸し出してくるのにはこういう理由もあるんですね。

ビジネスでサービスをするときは、相手が自分のファンなのか、ただ安くて良い商品が欲しいだけなのか、考えることが大事なときもあるようです。

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アンダーマイニング効果でモチベは上がる?

アンダーマイニング効果はモチベが下がる現象のことなので、その予防はできても上げることは難しいです。

  • モチベーション低下は目的と手段の不一致によって起こる
  • 期待感の喪失がモチベーションを下げる

といったアンダーマイニング効果に関連した知識をモチベーション上昇に活かすことは多少できるかもしれません、程度で考えてください。

モチベ向上には効果が薄いがモチベ維持には役に立つ、ということですね。

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知っておくと得する!その他の心理効果

期待されるとパフォーマンスが向上することを「ピグマリオン効果」と言います。

またアンダーマイニング効果とは逆に、報酬を目当てに頑張れる効果のことを「エンハンシング効果」と言います。

まとめると、やる気があることに対しては報酬を出さず、ないことに対しては報酬を払うということでしょうか。

ただ報酬がなくなるとやっぱりまたモチベーションはなくなるので、行動そのものにモチベーションを出すにはその行動そのものに対する期待や楽しみを見出すしかないでしょう。

「仕事のエクセル入力が苦痛だったけれど得意な人に教えてもらってから社内で一番早くなってエクセル業務が楽しくなった」といった感じにです。

そうやって「好きじゃないけど勉強して好きになろう」といった風に自分から積極的に好きを作っていけたら無敵になれそうですよね。

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まとめ

やる気と報酬の関係についての研究アンダーマイニング効果、いかがだったでしょうか。

自分のやる気を上手にコントロールできることはそれだけで強い武器になります。

この記事で触れたアンダーマイニング効果の知識があなたのモチベーション維持に役に立つことを祈ります。

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