経済学を勉強している人にとって、限界効用逓減の法則は一度は目にしたことがある「わかりにくいキーワード」だと思います。

一見、難しそうなこの言葉も、きちんと意味を理解してしまえばそれほどややこしい話ではありませんよ。

今回は限界効用逓減の法則を、解りやすく「ビールの注文」を例に解説しましょう。

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限界効用逓減の法則とは?具体例でわかりやすく解説!

限界効用逓減の法則

限界効用逓減の法則とは、簡単に言ってしまえば、「1回目よりも2回目、2回目よりも3回目のほうが満足度は減っていくよね」というものです。

例えば、居酒屋でビールを飲む場合、最初の1杯目はものすごくおいしいですが、2杯目・3杯目…となるうちにありがたみは減っていくことが多いでしょう。

ビールなんてそもそも嫌いだよ…という方は、恋人と逢瀬(おうせ)を重ねる回数のことをイメージしてもらってもかまいません。

最初のうちはとても盛り上がっていて会うたびにとても満足していたのに、付き合い始めて3か月、1年、3年…と経っていくうちに、新鮮度は確実に減っていきますよね。

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限界効用逓減の法則=1回あたりの満足度の大きさがだんだん減っていくこと

限界効用逓減の法則

このように、限界効用逓減の法則とは、「同じ刺激であっても、受け取る回数が増えていくとどんどん1回あたりの満足度は小さくなっていく」ということを意味します。

なお、「限界」とは1回あたりの大きさ、「効用」とは満足度、「逓減」とはだんだん減っていくという意味です。

そのため、「限界効用逓減の法則」とは「1回あたりの満足度の大きさがだんだん減っていく」という意味になるのです。

むずかしい言葉で説明すると…

  • 「限界」=1回あたりの大きさ
  • 「効用」=満足度
  • 「逓減」=だんだん減っていく

「限界効用逓減の法則」=1回あたりの満足度の大きさがだんだん減っていくこと

以下では、経済学について勉強している方向けに、限界・効用・逓減のそれぞれの厳密な意味について解説しておきましょう。

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限界とは

そもそも「限界」という言葉が少しこの法則をややこしくしています。

この法則で使われる「限界」は、私たちが通常使っている「限界」の意味ではありません。

私たちは「もうこれが限界だよ~!」とか「もう、いっぱいいっぱい、だね、限界じゃないの?」という時に「限界」という言葉を使いますね?いわゆる「上限」という意味です。

でもこの「限界効用」というのはそういう意味ではなく、「次の増えた分」という意味で、英語でいうと「マージカル」です。

1杯目のビールでは満足度がこれだけ増えた、2杯目ではこれだけ増えた…というように、「次の増えた分」のことをいうわけですね。

「限界効用逓減」の限界とは、「次の増えた分」「次の1回分」「次の追加分」だと思ってください。

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効用とは

効用というのも簡単に言えば「満足度」です。

効果と言う意味でこのような熟語が登場していますが、単純に「満足だね」という度合のことです。

逓減とは

逓減も難しいです(そもそも「逓」なんて漢字は普通の人はまず使わないでしょう)

これも簡単に言えば「減っていく」ということです。

減っていくのなら「低下」でもいいのですが、逓減と言うのは「徐々に減っていく、少しずつ減っていく」という意味です。

この3つが合わさった言葉が「限界効用逓減」です。

ですので、この言葉を簡単に説明すると「次の増えた分」の「満足度」は「少しづつ減っていく」ということ。

それに法則がついているということになります。

何となくイメージできるでしょうか?

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限界効用逓減の法則が適用される具体例

限界効用逓減の法則

今回は「限界効用逓減の法則」を、私たちの身近で分かり易い例として、「ビールの注文」を使って解説します。

ビールが嫌いな人はごめんなさい。

人間は文字よりも画像の方が覚えやすく、そしてイメージし易いですから。

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ビールの注文と限界効用逓減の法則

「プッハァ~~~」「この最初の一口がたまらないよね!」というセリフは、ビールを飲む人の定番です。

まさしくこれが「限界効用逓減の法則」の入り口となっています。

さて、最初の一杯では本当に幸せそうにビールを飲んだ人も、次はどうするでしょうか?たぶんもう1杯注文するのでしょうね。

でもその2杯目のビールを口につけた瞬間は、最初の「プッハァ~~~」ほど、「プッハァ~~~」とは言わないかもしれません。

そして3杯目を注文するときは?「う~ん、どうしようかな?そろそろハイボールにしようかな?」なんて人もいるのではないでしょうか?最初の一杯目、あれほど幸せそうに注文して飲んだビールが、3杯目になると、ハイボールと比べられるほど、その人の中でビールの値打ちが下がっています。

それでもビールを頼んだとしても?もう、まず、「プッハァ~~~」は言わないでしょう。

普通に口に運んで普通に飲んでいくだけでしょうね。

確実に最初のビールの有難みが減っていっています。

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ビールの限界効用は何杯目で減っていく?

1杯目よりも、2杯目、2杯目よりも3杯目の方が確実にビールの有難みが減っています。

同じ味のビールで、同じ量のジョッキに入っているにもかかわらずです。

はい、これが「限界効用逓減の法則」です!

なんだ?そんなことなの?と思いますか?はい、タネを明かせば「なんだ、そんなこと」です。

でも、この現象でいろいろな事が予測できたり、計画できたりできるのですよ。

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ビールとハイボールなら限界効用が大きいのはどっち?

さて、お酒好きの人ならビールを3杯飲んだ次の注文はどうするでしょう?もう1杯ビールを注文する?それともハイボールでしょうか?好き嫌いももちろんありますが、もしビールとハイボールが同じ価格だった場合は、かなりの人はハイボールに替えるでしょう。

「やっぱりハイボールだよね!悪酔いもしないしね」などと言いながら(このたとえをチューハイにしてもいいですよ)。

ここで何が起きたか?というのを、経済用語の世界で表現すると「ある同じ効用(満足度合)を求めるために、人はそのサービス内容を替えた」ということになります。

つまり人の満足度を最大限にしようとすれば、同じサービスを続けても難しく、変化や新鮮さが必要になるという事ですね。

「人間は同じサービスでも追加的に受けるとその満足度が減っていく」のです。

これが「限界効用逓減の法則」の正体です!

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限界効用逓減の法則の活用方法

限界効用逓減の法則

限界効用逓減の法則の意味が理解できたところで、今度は「限界効用逓減の法則を理解していると、どういう良いことがあるのか?」について勉強しましょう。

人はそれぞれ、自分の「満足度」を「最大化する」ために行動しています。

もっと美味しいものが欲しい、もっとこっちが欲しい、もっと便利に、もっと楽しく、もっと、もっと、の連続です。

そして厄介なのは「人は同じでは、それが続いても有難みが減っていく」生き物なのです。

この法則は、ビールがそれを証明していますね?ではこの法則を私たちはどうやって活用していけばいいのでしょうか?

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満足度は必ず減っていく

同じものでは満足度は必ず減っていくということは、そのモノでは満足度は有限だということです。

有限という制約があるというのを知ると、どこかで切替えの必要を理解できます。

たとえば品揃え、たとえば予算の組み方、たとえば福利厚生のメニュー、たとえば宴会の料理。

あらゆるものに「これを続けていても満足度は最初ほどではない」ということを知っているのと知らないのとでは大きな違いが生まれるでしょう。

少し余談になりますが、この「限界効用逓減の法則」をうまく利用しているサービスを思い浮かべませんか?

そうです。

「食べ放題」や「飲み放題」サービスです。

最初の料理や、最初の飲みものも、何度も続けていると、人は満足度が減ってもうそれ以上同じものを摂ろうとしません。

そのラインをしっかりと計算すれば、どこが採算ラインなのか?が計算できるはずです。

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満足度の敵、「慣れる」と「飽きる」

限界効用逓減の法則

人間は嫌な事も(慣れによって)続けれられる能力があるかわりに、同じことを続けられないという性質も持っています。

「慣れる」ことも出来るかわりに「飽きて」しまうのですね。

そして、慣れることも飽きることも、それは1追加あたりの満足度にとっては敵となります。

「継続こそ力なり」というのが、いかに大事でいかに難しいか?は、人間のこの2つの性(さが)に対抗しているからでしょう。

そう考えると「限界効用逓減の法則」というのは非常に「人間らしさ」を表した法則と言えるもので、それを知るとぐっと親近感が湧いてきますね。

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まとめ

今回は「限界効用逓減の法則」について解説しました。

いかがでしたか?この法則は、人間の基本行動を示すものですので、あなたの会社や身の回りなど、いろいろなところで姿を現します。

一度そのような視点で一日を過ごされてどうでしょう?きっとこの法則が見つかると思いますよ。

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