教会であげる結婚式では神父さんが式を進めてくれますよね。
しかし、神父さん自身は実は結婚ができないということをご存知でしょうか。
キリスト教の宗派には大きく分けてカトリックとプロテスタントの2つがありますが、カトリックの神父さんは結婚をしてはいけないというルールになっているのです。
この記事では、知っているようで意外に知らない神父や牧師の結婚制限について解説します。
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神父が結婚できない理由とは?
カトリックの神父は結婚をしてはいけないというルールになっていますが、これはイエス・キリストが独身者だったとされていることが最大の理由です(諸説ありますが、カトリックの正式な教えではそうなっています)
神父は「キリストのように生きるべき聖職者」でなければならないというわけです。
さらに、初期のキリスト教会において非常に重要な役割を果たした使徒パウロが「男子は婦人にふれないがよい」と手紙に書き残していることも根拠になっています。
ローマ・カトリックやギリシャ正教の司祭である神父は男性で、女性との結婚が認められていないのです。
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改宗者の妻帯や、神父が結婚を選んで神父を辞めることは認められている
ただし、これはあくまでも教会という組織に聖職者として属する人の伝統であって、宗教上の教理ではありません。
なので、一般の信徒が結婚することには当然ながら何の問題もありません。
また、別の宗派から改宗してカトリックになった人に、離婚を強要することはありませんし、神父が結婚を選択して神父を辞めることは否定されていません。
カトリックでは聖職者という特別な立場の人と、一般の信徒とではルールが違うというように考えます。
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プロテスタントの「牧師」は結婚できる
上で、キリスト教の宗派は大きく分けてカトリックとプロテスタントの2つに分かれるという話をしました。
カトリックの司祭である神父は結婚ができませんが、プロテスタントの司祭である牧師は結婚することができます。
プロテスタントはもともと「教会や聖職者という特権的な人たちだけが信仰の中心になっているのはおかしい」という考え方から生まれた宗派ですから、聖職者だけを一般人と区別するという発想があまりありません。
そのため、結婚できないというルールもないのです。
プロテスタントではたとえイエス・キリスト自身が独身であったとしても、キリスト教徒が独身である必要はないと考えます。
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そもそも神父とは?プロテスタントの牧師との違い
カトリックの「神父」と、プロテスタントの「牧師」の違いについてもう少しくわしく見てみましょう。
一般的に「カトリック」と呼ばれるローマ・カトリック教会や、ギリシャ正教会には神父と呼ばれる「信仰の専門家」がいます。
一方で、プロテスタントにはこのような役職は基本的になく、神父も一般の人とそれほど区別されていません。
プロテスタントではすべてのキリスト者が祭司であるという考え方から、「序列のある聖職者」という考え方そのものに対して否定的なのです。
カトリックでは信徒は教会を通じて神とつながる、という考え方であるのに対して、プロテスタントは清とそれぞれが神と直接的につながるという考え方になっています。
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結婚式場の「教会」には神父も牧師もいない
結婚式場にある「教会」はキリスト教でいう教会やチャペルとは意味が異なります。
キリスト教でいう教会というのは、神父や牧師が毎週日曜日にいろんな宗教上のお話をするところですが、結婚式場では日曜日ごとに礼拝が行われたり、神父や牧師が説教をすることはないからです。
なので、厳密な宗教的ルールにもしばられませんし、常駐している神父や牧師もいません。
結婚式場にある教会やチャペルは、あくまでも結婚式を執り行うためのセレモニーホールとういことですね。
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神父が結婚できるケースもある?
カトリックの神父は結婚ができないのが大原則ですが、例外的に結婚できるケースがあります。
それは、同じキリスト教でも、結婚できる宗派からカトリックに改宗した場合です。
もともと結婚していた人が、結婚の後にカトリックに改宗した場合には、そのまま妻帯できるケースがあるのです。
一方で、もともとカトリックに属している神父が、神父の立場のままで結婚をすることはできませんから、どうしても結婚を選択したい人は神父を辞めなくてはなりません。
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聖公会と東方典礼カトリック教会からの改宗
もう少し細かいルールや宗派による違いを見ておきましょう。
カトリック教会のうち、聖公会と東方典礼カトリック教会では神父であっても結婚が認められている職位があります。
そして、上でも見たようにもともとこれらの宗派に属していた人が、結婚を禁じている宗派に後から改宗した場合はそのまま妻帯が可能となります。
また、カトリックでも助祭という「神父になる前の職位」であれば妻帯が可能です(助祭は神父の見習いのような存在です)
ただし、これが許されるのは助祭になる前に結婚していた人だけで、結婚している助祭が神父になることはありません。
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愛人が問題となるケースも
とはいえ神父も人間ですから、女性を好きになってしまうことは現実問題として起こります。
神父の「愛人」がスキャンダルとしてニュースになることが、カトリックが中心となっている地域ではときどきありますね。
すべての神父が情欲に負けず、貞潔な生活を送っているわけではありませんから、これはある意味当然のことでしょう。
結婚するには神父を辞めるしかありませんから、仕方なくそのことは公にせず、こっそりと「愛人」をもつというケースも少なくないようです。
当然ですが、カトリックでは神父が愛人を持つことは断じて認められていません。
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恋愛はどうしている?
神父にとっては「恋愛を成就させないこと」が修行のひとつといえます。
神父といっても生身の人間ですから、当然他者に対して恋愛感情をいだくことはあるでしょう。
しかしそれを肉欲というラインまで成就させないことこそ、聖職者としての責務というわけです。
まとめ
今回はカトリックの神父と結婚の関係について説明しました。
キリスト教ではカトリックでも、プロテスタントでも、結婚というものをとても神聖なものと考えています。
神父は結婚できないルールになってはいますが、本文でも説明したようにこれは結婚を「避けるべきもの」と考えているからではありません。
カトリックでは神父のような聖職者は特別な存在と考えますので、一般の信徒とは異なったルールになっているといるのです。
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