- お世話になっているあの人に贈り物を届けたい。
- 贈り物には手紙も添えないとそっけないと思われる?
- 親族の場合はそんなに迷わないけど、職場の上司となると、なんと書けばいいかよくわからない…。
贈り物には、できれば手書きの手紙を同封するのがのぞましいですね。
(添え状・送り状・一筆箋のかたちで同封しましょう)
菓子折りなどを渡す場合にも、ちょっとした手書きの手紙が同封されていたら嬉しいものです。
以下では、贈り物に同封する手紙の書き方を例文付きで解説しますので、参考にしてみてください。
贈り物に添える手紙にはこの2つを書く
↓贈り物に添える手紙(添え状・一筆箋)には、以下の2つのことを書きましょう。
贈り物の手紙にはこの2つを書く
- ①この贈り物を送る理由
- ②この品物を選んだ理由
①と②について順番に解説します。
①贈り物を送る理由を書く
贈り物を送る相手には「なぜこの贈り物をするのか?」をしっかりと伝わるようにしなくてはなりません。
なぜ贈り物をするのか?の説明
- 「実家に帰省した際のお土産です」
- 「以前いただいたものへの返礼です」
- 「退職祝い、結婚祝いです」など
「そんなに親しくもないのに、わざわざ贈り物を送ってくるなんて、何か裏の目的があるのでは?」と、変な勘繰りをされないように配慮が必要です。
何かと物騒な世の中ですので、相手も自宅に届く郵送物には敏感になっている可能性があります。
なお、お中元やお歳暮などの「恒例行事」の場合には相手も「なぜこの贈り物が送られてきたのか」はすぐにわかります。
そのため、こうした説明は必要ない場合もあります。
②その品物を選んだ理由を書く
「なぜ、あえてこの品物を選んだのか?」を書きましょう。
これが伝わるようにしておくと、相手に「自分のことをしっかり見てくれているんだな」と思ってもらえます。
↓※例えば、以下のような例文が考えられます。
なぜこの品物を選んだか?を書く
- 甘いものがお好きだとうかがいましたので、こちらの名産品と評判のお菓子を選びました。
- 今年も実家のりんごがおいしく実ったので、ぜひお召し上がりください。
- 旅行先で、以前に~さんがお好きだとおっしゃっていた~を偶然見つけました。少しですがお送りします。
この部分は、恩着せがましいような表現にはならないように注意が必要です。
また、「つまらないものですが」などのへりくだりすぎた表現はかえって失礼にあたるので避けましょう。
もっとも、特に「これを選んだ理由」というようなものがない場合もあるでしょう。
その場合には、「心ばかりの品をお送りします」という表現にしておけば問題はありません。
↓以下では、用途別に贈り物に同封する手紙(添え状)の例文を紹介します。
旅行お土産を贈る場合に同封する手紙(添え状)例文
寒い日が続いていますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。先月、長期休暇を利用して家族で韓国旅行に行ってまいりました。
お土産と申すにはささやかな品なのですが、~さんが韓国のりが好物だとおっしゃっていたのを思い出し、少々買い求めました。
地元の特産品ということなので、ぜひお召し上がりください。
また近いうちにお会いできるのを楽しみにしております。
名産品を贈る場合に同封する手紙(添え状)例文
秋晴れの良い天気が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。先日の出張の折には、突然ご連絡差し上げたにもかかわらず、お時間を割いていただき、誠にありがとうございました。
急なことで手土産の一つも持参せず、大変失礼を致しました。
会食の席でお話に出た先方との商談はその後順調に進めることができ、来月には納品の運びとなる見込みです。
~様には何かと便宜を図っていただき、心より感謝いたしております。
つきましては、ほんのお礼のしるしに、当地名産の~をお送りいたしました。
グルメな~様はご存知かとは思いますが、ボイルして食べるととてもおいしいようです。
~様も当地へお出向きの際はぜひともご一報くださいませ。
まずはとり急ぎお礼とご連絡まで。
ゆずるチケットを贈る場合に同封する手紙(添え状)例文
その後、お変わりないでしょうか。電話でお話ししていたサッカー観戦チケットを送ります。
主人が勤務先の上司からもらってきたものなのですが、あいにく我が家では誰も行ける人がいないので、~さんに受け取っていただけるとうれしいです。
サッカー少年のたかし君と一緒に楽しんできてくださいね。
また近いうちに食事しましょう。
スーツケースなどを相手に貸す場合の添え状例文
暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。先日お約束していたスーツケースですが、お言葉に甘え、着払いでお送りいたします。
何度も使い込んでいるスーツケースなので、多少の傷は目立たないかと思います。
気兼ねなくお使いいただければ幸いです。
私は当面使う予定がありませんので、返却は帰国後に落ち着いてからで大丈夫です。
お気をつけて、良い旅をお過ごしください。
送り状を別に送る場合は、手紙は贈り物よりも早く届くようにするのがベスト
厳密には、送り状と贈り物とは別々に相手につくようにするのがマナーです。
生もののような贈り物の場合、相手が長期間不在であるなどで受け取れない場合も考えられるためです。
そのため、事前に送り状が相手につくようにしておくのが親切でしょう。
ただし、日持ちするものを送る場合であれば贈り物に手紙を同封する形でも問題はないです。
百貨店やデパートでは発想とともにメッセージカードを同封することができますので活用してみてください。
贈り物に同封する手紙(添え状・送り状)の例文:ビジネス向け
株式会社〇〇〇
代表取締役〇〇〇〇様
拝啓
新春の候 貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
年が明け、まだ遠い春が待ち遠しく感じております。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、日頃お世話になっております皆様に感謝の意を表したく、ささやかではございますが心ばかりのものを送らせていただきました。
ご受納下さいますようお願い申し上げます。
貴社の更なる発展ご繁栄を心よりお祈り申し上げますとともに、今後も引き続きご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
本来ならお伺いしてご挨拶申し上げるべきところですが、書中にて失礼いたします。
敬具
平成〇年〇月 吉日
株式会社〇〇〇〇
〇〇〇〇〇
贈り物に同封する手紙(添え状・送り状)の例文:親戚あて
〇〇叔父様
8月も残すところあとわずかとなり、ゆく夏を惜しむこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
こちらは、大学の同じサークルの仲間と北海道旅行へ行ってきました。
想像をはるかに超える広大な北の大地の大きさと、土の香りは郷愁を感じるほどの感動です。
まだ土の香りの残る北海道特産の『北あかり』をお送りします。
叔母様の美味しい手料理で生かしてもらえる素材と思いますので、どうぞお二人でお楽しみください。
今度の連休にはそちらに伺う予定でおります。朝晩の風に秋の気配が感じられるようになりました。
どうぞご自愛のうえ、お過ごしくださいませ。
〇〇〇〇(あなたの名前)
贈り物に同封する手紙(添え状・送り状)の例文:食べ物を送る場合
〇〇〇先生日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、皆様はお変わりございませんか。
受験の折はご多忙中にもかかわらずご親切にご指導くださいまして、誠にありがとうございました。
〇〇〇先生にご指導賜り、念願叶い志望校の合格を手にすることが出来てから一週間が過ぎようとしております。
これもひとえに〇〇〇先生のご指導、ご鞭撻のお蔭と思い、何とお礼を申し上げて良いかわかりません。
父の転勤のため長年住み慣れた土地から引っ越すこととなり、本来ならお伺いしてご挨拶申し上げるべきところですが、書中にて失礼いたします。
そのお詫びと心ばかりの御礼といたしまして、当地の名産品の明太子を少々別便にてお送りいたしました。
冷蔵庫で保管のうえ、そのままお召し上がっていただいても深い味わいであるかと存じます。
季節の変わり目でございます。ご健康にご留意され、益々ご活躍されますことを心よりお祈り申し上げます。
〇〇〇〇(あなたの名前)
贈り物に同封する手紙(添え状・送り状)例文:友人の結婚祝い
○○さん、結婚おめでとう!
○○さんが花嫁さんになること、まるで自分のことのように嬉しいです。
旦那様と二人で、幸せな家庭を築いていってくださいね。
ささやかですが、お祝いの品をお贈りさせて頂きます。
落ち着いたらぜひ、新居へも遊びに行かせてください。
ノロケ話をたくさん聞かせてくださいね。
△△より
贈り物に同封する手紙例文:親戚の誕生日祝い
○○くん(ちゃん) お誕生日おめでとう。
赤ちゃんだった○○くん(ちゃん)も、もう○さいのりっぱなお兄さん(お姉さん)ですね。
これからもずっと元気で、おとうさんとおかあさんを大事にしてあげてください。
今度会ったら、幼稚園(学校)の話をたくさん聞かせてくださいね。
△△おじさん(おばさん)より
贈り物に同封する手紙(添え状・送り状)例文:御礼の品
拝啓 ○○の候 ○○様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
先日は○○の件で、色々とお骨折り頂き誠にありがとうございました。
おかげさまで(相手が行ったこと)も滞りなくすみ、これも○○様のお力添えがあってこそと深く感謝いたしております。
ささやかではございますが、御礼の品をお贈りさせて頂きます。
何卒ご笑納くださいませ。
まずは書中にて、ご挨拶まで。
末筆ながら、○○様の今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
平成○年○月○日
△△ △△ 拝
上で紹介させていただいた文例にアレンジをくわえるときには、次のような点に注意してみてください。
例文にアレンジを加えるときのポイント
- ①何に対してのお礼や贈り物なのかを明確にする
- ②贈り物に対してへりくだった気持ちを表す
- ③封筒に入れるかどうかは手紙の形で判断
以下で順番に解説させていただきますね。
①何に対してのお礼や贈り物なのかを明確にする
贈る側としては、品物を送ったらそれが何のプレゼントなのか相手にも分かるだろうと考えがちですね。
しかし実際には、贈られた側が「何で突然これが送られてきたんだろう?」と悩むケースが非常に多いものです。
「誰が」「誰に」「何の理由で」贈り物をしたのかを、手紙の中で明確にしておきましょう。
②贈り物に対してへりくだった気持ちを表す
謙譲の美徳という言葉がありますね。
たとえどんなに高額で、どんなに良い品物であったとしても、贈る側としては謙遜しておくのが日本のマナーです。
ただし、品物に対する自分の評価を添えておくことは差し支えありません。
「とても美味しいお菓子をみつけましたので、○○様のお口にも合うのではないか…」
などと添えることで、相手に寄り添った品物選びをしているアピールを兼ねることもできます。
③封筒に入れるかどうかは手紙の形で判断
贈り物に同封する手紙を封筒に入れるかどうかは、手紙の形状によって判断しましょう。
添え状を書いた紙が一筆箋であれば、封筒に入れなくても差し支えありません。
一方で、通常の便箋に書いた場合は、折りたたんで封筒に入れるのが良いでしょう。
なお、封筒の表書きはせず、空白のままでかまいません。
贈り物の手紙には添え状・送り状を
贈り物を贈るにしても、ものだけを贈るというのは受け取る側も不可解に感じてしまったり、贈る時期やものによっては迷惑に感じてしまうことがあります。
そこで添えておきたいのが手紙というわけですが、ここでいう手紙には品物に同梱する『添え状』と、品物よりも先に送付する『送り状』について触れていきます。
それぞれの手紙の書き方のポイントをおさえていきましょう。
添え状とは
添え状とは、贈り物を贈る前に送付しておく送り状が万が一相手に未達であったり、送り状は送付せず添え状のみの場合に、贈り物をした経緯や日頃の感謝の気持ちなどを伝える手段として使われています。
送り状とは
添え状は品物と同梱された状態で相手に届くのが一般的ですが、到着予定日に指定がある場合には前もって相手の都合などもお伺いするため、贈り物の簡略的な内容や到着予定日、感謝の気持ちなどを知らせる手紙です。
添え状・送り状の書き方
添え状や送り状を書く時のポイントは次の2つです。
添え状・送り状のポイント
- ポイント①:なるべく縦書き用便箋を使う
- ポイント②:文章を書く順番に注意する
以下、順番に説明させていただきます。
ポイント①:なるべく縦書き用便箋を使う
添え状・送り状は日頃の感謝を相手に伝える手段のひとつです。
なので、なるべく縦書き用便箋に手書きをすることが望ましいでしょう。
ただし、ビジネスとして複数企業相手に会社名義で送る場合には、印刷での添え状・送り状を送ったとしても失礼にはあたりません。
ポイント②:文章を書く順番に注意する
添え状・送り状の内容は次の内容を参考にしてみてください。
- 宛名
- 頭語
- 時候の挨拶文
- 前文(主文・末文)
- 結語
- 日付
- 署名
※ただし、親しい間柄である場合では省略されるものもあります。(日付や署名など)
頭語→時候の挨拶→前文の順に書きます。
前文には、形式的な時候の挨拶に準ずるように、自分の言葉で時節柄を表現した内容にします。
その後、主文に日頃の感謝の気持ちの言葉と、贈り物の簡略的な内容(食べ物であれば品物がわかるように)と贈った理由、特産物などであれば品物の特徴も綴ります。
最後に、末文として相手の健康や成功を祈るといった内容で締めくくります。
各項目について書き方をチェックしていきましょう。
宛名
ビジネスとして贈り物をする場合には、相手の正式社名・部署名・役職名についても記入しましょう
頭語
- 拝啓(はいけい)
- 一筆申し上げます(書き手が女性の場合)
- 謹啓(きんけい)
- 謹んで申し上げます(書き手が女性の場合)
※必ず冒頭の1行目の1番上から書き始めます。
時候の挨拶
- 1月…初春・寒風・厳寒・新春
- 2月…立春・余寒・春寒・残雪
- 3月…水ゆるむ・早春・春暖・浅春
- 4月…暮春・陽春・桜花・花曇
- 5月…新緑・惜春・薫風・立夏
- 6月…梅雨・向暑・初夏・薄暑
- 7月…猛暑・盛夏・大暑・灼熱
- 8月…立秋・新涼・秋暑・残炎
- 9月…新秋・新涼・野分・初秋
- 10月…秋雨・夜長・紅葉・秋麗
- 11月…暮秋・深秋・深冷・落葉
- 12月…師走・寒冷・新雪・短日
時候の挨拶の使い方
- 拝啓
- 新春の候 貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
- 新春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが…(以下略)
結語
- 敬具(けいぐ)
- 謹言(きんげん)
※必ず文末に用いて、本文から2文字程度下げた位置に書きます。
贈り物の手紙を書く際のその他のポイント
贈り物の手紙を書くときには、次のようなポイントも知っておきましょう。
- ①贈り物をする時期を考慮した表現にする
- ②正しい敬語を使う
- ③忌み言葉を使わない
以下、順番に説明させていただきます。
①贈り物をする時期を考慮した表現にする
贈り物に添える手紙の書き方として、まず贈る時期を考慮するようにしてください。
お中元・お歳暮・引っ越しの挨拶など、その時々に応じた内容を書くように注意しましょう。
添え状の書き出しでは時候の挨拶を使うと印象が良いですよ(後の例文を参考にしてください)
②正しい敬語を使う
日常会話の中でシーンによって使い分ける丁寧語・謙譲語・尊敬語をベースとする敬語ですが、手紙ではていねい語を使うのが一般的です。
普段は何気ない会話をしている親戚相手でも、贈答品やお礼の意味を込めた手紙の添え状ではきちんとしたていねい語を使うようにしたいところですね。
ただし、あまりに敬語を意識しすぎて二重敬語になってしまわないように注意しましょう。
また、話し言葉を柔和なイメージにした和語「お」や、ビジネス文書向きの漢語調「ご」の誤った使い方についても留意しておく必要があります。
③忌み言葉を使わない
慶弔のあらゆるシーンで縁起の悪い忌み言葉を使うことはタブーとされています。
せっかくの感謝の気持ちで送った贈り物も、添えている手紙の中に忌み言葉を使うだけで台無しになってしまいます。
上記のポイントをおさえたうえで、次項ではシーン別・贈り物をする相手別の例文をご紹介していきます。
まとめ
贈り物は、相手に喜んでもらうために渡すものですね。
心を込めた手紙を同封することで、贈る相手にさらに喜んで頂き、贈り物の効果が倍増します。
素敵な手紙を添えて、贈る側の気持ちを伝えてみてくださいね。