これから税理士事務所を目指して転職活動を始める!という方は、転職活動を始める時期についても注意しておいてください。
というのも、税理士事務所には求人が増える時期と、逆に少なくなる時期があるからなんです。
その理由としては、税理士事務所を目指す人の多くは税理士試験の勉強を同時進行で進めているので、
事務所側の採用活動もその動きに合わせて行われる傾向があることがあげられます。
また、税理士事務所には繁忙期(業務が忙しくなる時期)がやや極端ですから、繁忙期まっただ中に転職活動を始めてしまうと「求人がぜんぜんない…」という状況に見舞われてしまう可能性もあります。
今回は、税理士事務所への転職を目指す方向けに、転職活動を始めるべきタイミングについて説明させていただきます。
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税理士事務所の求人が多い時期はいつなの?
ズバリ税理士事務所の求人が多い時期は8月と12月です。
その理由は税理士試験の日程や、事務所の繁忙期がこの時期にくることがあげられます。
実際、私が採用にかかわっていた事務所では8月の税理士事務所あけぐらいから採用活動を本格的にスタートすることが多かったですね。
以下、それぞれの時期(8月と12月)で税理士事務所内がどんな感じで採用活動を考えているのかについて知っておきましょう。
税理士試験直後の8月は求人が本格化
税理士試験直後の8月は税理士事務所の求人が最も増え、採用活動が活発に行われる時期です。
受験生も試験勉強が終わって、転職活動に専念しはじめる時期だからです。
(8月の求人は試験直後ということもあって、大手税理士法人や未経験者歓迎求人が多いのが特徴でもあります)
受験生の方にとっては、約1年の試験勉強が終わって少し休みたいところかもしれませんね。
ですが、試験がひと段落したら、その瞬間から採用競争はすでに始まっているということはぜひ理解しておいてください。
(お給料などの条件が良い税理士事務所求人は早い者勝ちです)
税理士事務所への転職を考えるなら、試験後すぐに活動できるように心づもりをしておきましょう。
12月は繁忙期に向けて求人が増える
税理士試験合格発表直後の12月も、8月と同じく税理士事務所の求人が増える時期です。
12月に税理士事務所の求人が多くなる理由としては次の2つがあります。
12月に税理士事務所の求人が多い理由
- ①税理士試験の結果を見て、転職活動をスタートする受験生が多いこと
- ②12月末~3月の繁忙期に向けて、事務所側が人材確保を本格化させること
以下で具体的に見ていきましょう。
①12月は税理士試験の合格発表がある
まず、12月には税理士試験の合格発表があります。
試験結果の良しあしによって、今後の試験勉強や転職活動のスケジュールを検討する人が多いでしょう。
試験がひと段落したという方や、今後は実務経験を積みながら試験勉強を進めていく、という決断をした方はこの時期(12月)から転職活動をスタートすることになります。
事務所もその動きに合わせて採用活動を本格化させるというわけですね。
②12月は税理士事務所が繁忙期に向けて人材確保に動く時期
税理士事務所は2〜3月は確定申告、4〜5月は三月決算法人の税務申告があります。
なので、12月末〜翌年5月は「繁忙期」ということになります。
税理士事務所の「繁忙期」
- 2~3月:個人事業主の確定申告
- 4~5月:三月決算法人の申告
そのため、事務所としては12月ごろから人員の確保に向けて採用活動を本格化させる傾向があります。
これは税理士事務所にとってかなり切実な問題で、この時期に人員をきちんと確保できないと、自分たちの業務がパンク状態になる…ということも珍しくありません。
12月は実務要員の補充ということになります。
事務所の立場で言うと、この時期に採用するなら実務経験者や、科目合格者などある程度の税務知識がある方が望ましいということになります。
そのため、12月は科目合格者や税理士有資格者、実務経験者の求人が多くなるのが特徴です。
もちろん、未経験者であっても先輩の手伝いをしながら仕事を覚えていくのが普通ですから、この時期に採用されるケースは珍しくありませんよ。
未経験者におすすめの転職時期はいつ?
ここまで税理士事務所の求人が多くなる時期はいつなのか?について解説させていただきました。
では、未経験者はいつ転職活動するのがベストなのでしょうか。
ここでは私の個人的な体験から「この時期はおすすめ、この時期はやめたほうが良い…」という点を解説させていただきますので、参考にしてみてくださいね。
未経験者は8月がおすすめ
ずばり、未経験者が転職活動するなら、試験直後の8月がおすすめです。
先程も紹介したように、この時期は「未経験者歓迎」という求人が最も多い時期だからです。
また、仕事に慣れていきやすいという面からもこの時期に入社を目指すのはおすすめです。
例えば、8月から転職活動を始めて9〜10月に入社できたとしたら、繁忙期が始まる翌年1月までは数ヶ月あることになりますよね。
この時期は受け入れる事務所側もまだ余裕があるので、事務所の雰囲気や仕事に慣れるまでしっかりサポートしてもらえます。
12月~1月はハードルがやや高くなる
逆に、事務所が繁忙期の準備で採用を行う12月~1月は、未経験者には少しハードルが高くなります。
12月~1月は求人そのものは多いものの、「入社時期=繁忙期」になるので業務になれるのがなかなか大変…という形になるからなんです。
実際、当時の私はこのあたりの事情がわかっておらず、まったくの未経験で1月にある事務所に入社しました。
先輩社員に余裕がなくて相手にしてもらえず、とてもつらい思いをしました…。
もちろん、忙しい環境でたくさん仕事をさせてもらったので早く業務に慣れることができたという面もありますが、じっくりと仕事に慣れていきたいという方は8月の入社を目指すのが無難といえるでしょう。
試験にめどがついていれば6〜7月は穴場
ちなみに、税理士事務所の転職活動では、6〜7月は実は穴場といえます。
というのも、この時期は転職活動のライバルがぐっと少なくなるからなんです。
多くの税理士受験生は試験直後の8月末ごろに転職活動をスタートします。
そのため、6〜7月という活動している人が少ない時期にあえて動くことで競争率が下がり、内定をもらえる可能性が高くなるんです。
なお、この時期に動くなら、ある程度試験勉強にめどがついているのが理想です。
具体的には、すでに1〜2科目合格しているのが目安ですね。
その年に受験した科目に合格すれば3〜4科目合格で実務を開始できますし、仮に不合格でも1度勉強した科目なら、仕事をしながらでも勉強しやすいでしょう。
まとめ
結論的には、未経験者が税理士事務所に転職活動するなら、早く始める人は6~7月、試験の結果を見てから始めたい方は8月からがおすすめです。
すでに税理士事務所の実務経験がある方や、未経験でも忙しい時期に入社して一気に仕事を覚えてしまいたいという方は、12月の求人増加時期も狙いましょう。
ご自身の状況に合わせて、最適な時期に転職活動を始めてみてくださいね。
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