仏教で使われる言葉に「色即是空」というものがあります。
この言葉は仏教の教えの本質的な部分を表している言葉なのですが、とても難解なイメージがありますよね。
仏教は今から2000年以上前に生まれた考え方ですから、現代を生きる私たちとは言葉の感覚が全く違うのです。
しかし、仏教の教えは決して理解不能なほど難しいものではありませんので、現代の言葉で、できるだけ具体例を用いて考えていくことでグッとわかりやすくなります。
「色即是空」という言葉の意味にしても、わかってしまえば決して難しくないんですよ。
この記事では、「色即是空」という言葉の意味を可能な限りわかりやすく解説いたします。
仏教の考え方に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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色即是空の意味は?簡単にわかりやすく説明!
色即是空は簡単に説明すると「この世に不変のものなどない」という意味になります。
結論だけを言ってしまうと「なーんだ、そんなこと?」という感じですよね。
しかし、これを正しく理解することはそう簡単なことではありません。
ポイントは「どうしてこの四つの漢字で記されているのか?」を考えていくことです。
色即是空は言い換えると「色すなわちこれ空なり」。
つまり現代の言葉にすると「色は空でもある」となります。
そうなると「色」や「空」が一体何を表しているのかが鍵を握ってきますね。
順を追って紐解いてみましょう。
色即是空の「色」の意味
まず色即是空の「色」は「物質」のことを表しています。
どうして物質が「色」という漢字で表されたのか。
それは物質の定義が「目に見えるもの」だからです。
目に見えないものを「透明」だとすると、目に見えるものには「色」が付いているということ。
このことから目に見える、触れることのできる物質が「色」と表現されているのです。
色即是空の「空」の意味
対する「空」は「何もない状態」を表しています。
これは「色」よりもわかりやすく、中に何も入っていないものを「空っぽ」なんて言ったりしますよね。
何もないということは「色」とは真逆の「存在しない」ということです。
これらを踏まえて色即是空の表す「色は空でもある」という言葉に当てはめてみましょう。
「存在しているものは、存在しないものでもある」
つまり今そこに存在していても、いつ無くなってしまってもおかしくないということ。
「この世に不変のものなどない」という意味になるのです。
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因縁の意味を知ることで色即是空がわかりやすくなる
続いて気になるのは、どうして「この世に不変のものなどない」と言われているのかでしょう。
これは仏教で使われる「因縁」という言葉の意味を知ることでわかりやすくなります。
仏教の教えでは「この世に存在するものの全ては因縁によって作られている」とされているのです。
この因縁という言葉の意味についてここから見ていきましょう。
色即是空の「色」を成り立たせている
因縁とは、「元になるものに何かが働きかけること」を表しています。
まず因縁の「因」は原因、つまり物事の元になるもののこと。
これに対して「縁」は環境や出来事、因に働きかけるものを表しています。
種は植えられて育てられるから、野菜になるのです。
そして野菜は調理されて初めて料理になります。
この世に存在しているどんなものにも、元になるものとそれに働きかけるものが不可欠。
つまり色即是空の「色」を成り立たせているのは因縁だということです。
因と縁が離れたときに「色」は「空」になる
元になるものに働きかけるものがなくなってしまえば、あらゆるものは存在できなくなってしまいます。
種は植えられなければ野菜にならないし、野菜は調理されなければ料理にはならないのです。
種が植えられることも、野菜が調理されることも絶対ではありませんよね。
因縁の因と縁が離れてしまえば、物事は成り立たなくなる。
このことから「この世に不変のものなどない」と言われているのです。
まとめ
今回は仏教で使われる色即是空という言葉について解説しました。
この言葉が表すのは「色は空でもある」すなわち「存在しているものは、存在しないものでもある」ということ。
そして物事が存在するのは、元になるものに何かが働きかける「因縁」があってのものです。
これらを抑えておけば、色即是空の意味を正しく理解することができます。
噛み砕いて考えてみると決して難しくないと感じたのではないでしょうか。
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