国語の授業で、「直喩(ちょくゆ)」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
直喩とは比喩(たとえ)を使った表現方法の一種です。
直喩の使い方がわかると、わかりやすくて読者の心にひびく文章が作れるようになりますよ。
なお、同じような言葉で隠喩という言葉もありますので、直喩と隠喩の違いがいまいちイメージできない…という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、直喩の意味について例文を使ってわかりやすく説明しますので、参考にしてみてくださいね。
直喩とは?例文で解説!
まずはイメージがしやすいように、例文を紹介しましょう。
↓直喩とは、次のような文章表現をいいます。
直喩を使った文章の例
- 「彼女は花のように美しい人だ」
- 「あの人の話は、落語みたいで面白い」
- 「餌に群がるカラスのごとく集まってきた」
簡単な直喩の例文を三つ挙げてみました。
どこが直喩なのか分かるでしょうか。
直喩とはどういう特徴があるのかを考えてみましょう。
直喩は必ず決まった言葉がついている
直喩は必ず例文にある「~のよう」や「~みたい」「~のごとく」といった言葉がついています。
直喩の見つけ方
- 「~のよう」
- 「~みたい」
- 「~のごとく」
といった言葉がついているのが直喩。
テストで「直喩を用いた部分を答えなさい」という問題が出たら、「~のよう」「~みたい」「~のごとく」という書かれ方をしている部分を手掛かりにするとOKというわけですね。
他にも「~に似た」「かと思う程」とつく直喩もあります。
これがついている場合はほぼ直喩だと考えて大丈夫です。
慣れていない内はこれらの言葉に注意して探してみると良いでしょう。
直喩は文のイメージをわかりやすくしてくれる
例文からも分かるように、直喩は文章をより具体的にしてくれます。
「彼女は美しい人だ」でも意味は通じますが、「どんな風に美しいのか?」という疑問が残ります。
一言で「美しい」といっても、色々なイメージがあるからです。
そこで「美しい」というイメージに一番近い「花」を入れれば、読んだ人は「お花みたいな感じの人なのか」と想像することができるでしょう。
直喩は比喩の一種
比喩は色々な種類がありますが、直喩はそのうちの一つです。
そもそも比喩とは「対象を別のモノにたとえる」表現です。
中でも直喩は、その対象とたとえるものを「直接」比べています。
例文を見ても、「ようだ」や「みたいな」がついていることで「これはたとえだな」と無意識でも判断できます。
直喩は比喩を理解する上で最初に押さえておきたいものです。
直喩と隠喩の違いを例文で解説
直喩や隠喩を使った例文をいくつか紹介しましょう。
- (直喩)「青空のような色の瞳が」
- (隠喩)「瞳の中の青空が」
- (直喩)「彼女は花のように美しい人だ」
- (隠喩)「彼女はクラスの花だ」
- (直喩)「氷のように冷たい刃」
- (隠喩)「氷の刃」
直喩と一緒によく聞くのが隠喩です。
隠喩も同じ「たとえ」を意味する言葉なのですが、直喩とどう違うのでしょうか。
上記の例文はどれも同じものを指して同じようにたとえていますが、その違いは分かるでしょうか。
「明確」なのが直喩で「不明確」なのが隠喩
隠喩は直喩にある「~のよう」「~みたい」は使いません。
「対象をそのまま他のモノでたとえる」表現法です。
書き手と読み手がお互い「たとえ」だと分かっていないといけません。
でないと「彼女って人間じゃなくて花?」という誤解が起こります。
「彼女は人間」で「花はたとえ」ということが認識できて、初めて成り立つのが隠喩なのです。
直喩は文を読んだだけで、誰でも「ああここはたとえか」と分かります。
まとめ
今回は、直喩について解説しました。
直喩があると、登場人物や説明されているものの特徴が具体的でわかりやすくなります。
文を書く機会がある、テストに出るという方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。