興福寺の阿修羅像といえば、「3つの顔に6つの手」が有名ですね。

このような姿をのことを三面六臂(さんめんろっぴ)の像といいますが、「顔や手がたくさんあるのには、どういう意味があるのだろう?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、阿修羅の由来から手や顔の意味までを詳しく説明していきます。

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阿修羅像の顔の違い:それぞれの顔にはどんな意味がある?

阿修羅像

まずは阿修羅像のそれぞれの顔の意味から見ていきましょう。

1つの頭に3つの顔というと、なんだかちょっとグロテスクな感じもしますが、これには次のような意味があるのです。

①後悔を表わす左側の顔

向かって左側の顔は、幼年期の阿修羅を現わすといわれています。

反抗的な表情で、自分の過ちを認められず、感情的な阿修羅が描かれているのです。

おそらくこれは、仏の教えを知る前の阿修羅の姿を現しているのでしょう。

そこには過去の自分への後悔の念にじんでいるように見えます。

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②懺悔(ざんげ)をしている右側の顔

向かって右側の顔は、思春期の阿修羅の顔といわれています。

自らの過ちに気づいて思い悩み、そして懺悔している少年になった阿修羅の表情です。

③仏の教えを悟った正面の顔

そして、正面は青年に成長した顔を現わしています。

後悔の念がある一方で、希望の光を見出している表情です。

つまり、悩みから抜け出そうとしている姿を表現しているのです。

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阿修羅像の手の意味とは?

顔だけでなく、腕も人と比べて4本も多い6本の腕を持っています。

はじめて見た人はそれだけで圧倒されるのではないでしょうか。

以下では阿修羅の手にまつわる逸話を紹介しましょう。

第一の手

阿修羅像の第一の手は、何も持たずに合唱をしています。

この手は、仏教に帰依して仏法を守っていく姿を現わしています。

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第二の手

興福寺に展示されている阿修羅像は何も持っていませんが、興福寺曼荼羅には左手に日輪、右手には月輪を持っています。

つまり、本来はそれぞれの手には日輪と月輪を持っていたと考えられています。

日輪は太陽を、月輪は月を意味することから、常時仏教を守っていることを現わしています。

第三の手

第二の手と同様に、第三の手も現在は何も持っていませんが、左手に弓を、右手には矢を持っていました。

つまり、仏教を守る八部衆としての役割を意味しています。

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阿修羅像のモデルになった「阿修羅」とは?

阿修羅像

本来はインドの神様であった阿修羅ですが、時代の変遷や中国に渡るなどして仏法の守護神である八部衆となっていきます。

ここでは、ちょっとした豆知識も含めて説明していきます。

もとはインドから来た神様

阿修羅は、古代インドでは「アスラ」という神様でした。

サンスクリット語で、「ア=非」「スラ=天・神」という意味があるので、アスラは「非天」と訳されました。

しかし、もともとは悪魔的な要素はなく、インドラという軍神に挑み続ける神でした。

ところが、時代が進むにつれて次第に鬼神として定着するようになるのです。

そして、アスラが中国に伝わると、漢字表記されて「阿修羅」となりました。

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帝釈天と争うも負け続ける阿修羅

阿修羅は、仏教に取り込まれても帝釈天に挑み続ける存在でした。

アスラがインドラに挑むも負け続けたように、阿修羅も帝釈天と戦い続けますが、そのたびに負けてしまいます。

それでも、何度も何度も戦いを挑むのです。

「修羅場」という言葉がありますが、帝釈天と戦ってばかりいた阿修羅がそもそもの由来です。

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修羅界に追放されてしまう

戦ばかりをしていた阿修羅は、ついに神がいる天界から、修羅界に追放されてしまうのです。

仏教には六道というものがあり、上から天界・人間界・修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界の6つの世界に分けられています。

修羅界は、人間界よりも下に位置し、争いに執着するものが住む場所です。

つまり、阿修羅は争いに執着するものが集う世界に送られたのです。

仏の道で教えを悟って八部衆になる

修羅界に追放された阿修羅でしたが、ついには仏教の教えを悟って、仏法を守る存在である八部衆に加えられます。

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まとめ

阿修羅について、鬼神としてのイメージを持っていた方も多いと思います。

しかし、興福寺で公開されている阿修羅像は、そのような荒々しい部分よりも、後悔して懺悔して仏教に目覚めていく成長していく姿を見て取れるのではないでしょうか。

三面六臂の意味を理解して阿修羅像を見ると、また違った捉え方ができると思いますので、参考にしてみてください。

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