村上春樹の長編小説「騎士団長殺し」は、村上春樹のファンだけでなく、小説ファンが待ちに待った最新作ですね。
しかし、この作品は長編小説というだけあって、総ページ数は1000ページ以上と非常に長い作品となっています。
「ずっと原作を読んでみたいと思っているけれど、そんなに長い小説は読めないよ…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では「騎士団長殺し」のあらすじをわかりやすく説明し、ネタバレ解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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「騎士団長殺し」あらすじを簡単解説!
「騎士団長殺し」あらすじ
人気作家である村上春樹氏の最新作「騎士団長殺し」は、主人公の私と妻である柚(ゆず)が離婚の危機を乗り越え、仲直りをして子どもを授かるまでを描いた小説です。
36歳の主人公である私は小田原郊外にある別居先で様々な不思議な事件に巻き込まれます。
その経験のおかげで、最終的に妻とよりを戻すのです。
突然別れを切り出された主人公であるわたしは、次々と不思議な現象に巻き込まれていき、「穴」の底へと身を沈めていきます。
その穴の中で、主人公は自らの抱える闇と対峙することになるのです。
妻に別れを切り出されたことがきっかけとなって、主人公である私は生活のために肖像画を書く絵描きから、本物の画家として生まれかわることができたのでした。
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「騎士団長殺し」の登場人物
「騎士団長殺し」には様々な登場人物がいます。
まずは物語の主軸となる登場人物をきちんと整理しておきましょう。
「騎士団長殺し」登場人物
- 主人公(わたし):美大で抽象画を描いていたものの、全く売れず結婚を機に肖像画を書き始める
- 雨田 具彦:級友である政彦の父。この人の山荘で主人公は「騎士団長殺し」の絵を発見する
- 免色渉:主人公の近くに住んでいる謎の実業家。主人公に肖像画の依頼をする
- 小径:主人公の妹で、12歳でこの世を去った
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「騎士団長殺し」に隠された謎の解説※ネタバレあり
騎士団長殺しには、一つの謎があります。
それは「イデア」と呼ばれる騎士団長が物語の中でどのような役割を担っているのかということです。
主人公である私は雨田具彦という高名な日本画家が創作活動をするために使っていた屋根裏部屋で絵画を発見します。
発見した雨田具彦の絵から「騎士団長」が飛び出してくるのです。
騎士団長の身長は60cmで、出てくるやいなや主人公に対して自分は「イデア」であるぞと言います。
それでは、イデアとは何でしょうか?
イデアとは、もともと哲学の重要な概念として提示されたもので、一般に理念と訳されることが多い言葉です。
村上春樹氏は、イデア(騎士団長)という理念、つまり「目には見えない世界」が、様々な謎を引き起こす様を描いています。
実は、このイデア=騎士団長が小説全体を通じて主人公に影響を与えることになります。
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「騎士団長殺し」で村上春樹が伝えたかったこととは?
「騎士団長殺し」のテーマは、「イデアという目に見えない世界」を描くということです。
最新作でも村上春樹氏はメタファーを用いて「目に見えない世界」を繰り返し描き出そうとしています。
目に見えない存在を認識することをテーマとして、村上春樹氏は何度も小説を書いているのです。
実は、「騎士団長殺し」は過去の村上春樹氏が書いた「ノルウェイの森」「1Q84」「ねじまきじまクロニクル」などで用いられていたモチーフがいかんなく発揮されています。
特に、作品の中では「イデア」という目には見えない世界について多く語られています。
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「騎士団長殺し」の結末※ネタバレあり
「騎士団長殺し」は、物語の序盤で家を出ていった妻・柚(ゆず)が主人公のもとへと戻ってくることで結末を迎えます。
最終的に、妻との関係は回復し、主人公は新たな生活を始めるのです。
実は、「騎士団長殺し」の中で展開されている物語は、妻が出ていってから再び彼女が戻ってくるまでの物語を描いたものです。
そして、最後に、主人公は妻との間に子どもを授かります。
しかし、主人公と妻の間で子どもを授かるための行為があったことはありません。
その行為は主人公の夢の中でしか行われていないのです。
それでもなお、主人公とゆずはよりを戻し、妻の産んだ女の子を2人で育てることになります。
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まとめ
今回は、「騎士団長殺し」について簡単に解説しました。
本文で紹介しましたが、「騎士団長殺し」は将来のノーベル賞候補として最有力候補である村上春樹氏の最新作の長編小説です。
長編小説なので、なかなか読む時間を作れないという方でも、この記事を是非参考にしてあらすじを頭に入れてから、原作にあたってみてくださいね。
あらすじが頭に入っていれば、驚くほどスムーズに原作を読み進めることができますよ。
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