レゾンデートルという言葉の意味をご存知でしょうか?
レゾンデートルはもともとフランス語で、日本語では「存在理由」とか「存在価値」と訳されることが多いですね。
この記事では、実存主義や人間哲学とも関連の深いこの言葉について解説していきます。
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レゾンデートルの意味とは「存在理由」「存在価値」
上でも少し見ましたが、レゾンデートルは「存在価値(理由)」と訳されるフランス語で、フランスの哲学者ジャン=ポール・サルトルが哲学用語として用いたことでも有名です。
現在では哲学以外の分野でも普通に使われるようになりました。
まずは具体例を見たほうがわかりやすいと思いますので、次の文例を見てください。
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レゾンデートルの用例(文例)
レゾンデートルという言葉を使った一般的な用例をいくつか紹介します。
- 自分自身のレゾンデートルを見つけることができなければ、その人の人生は不幸だと言わざるを得ない。
- 自分のつとめる会社が社会のなかで持つレゾンデートルについて、きみは考えたことがあるかい?
- あなたはわたしを必要だというけれど、あなたにとってわたしのレゾンデートルルはなんなの?
- ライバルが出現して、自分のレゾンデートルがおびやかされている。
用例(文例)を見ると、レゾンデートルとは「見つけるもの」「持つもの」「人のなかにあるもの」「脅かされるもの」だということがお分かりいただけるかと思います。
日本語の「存在価値」に置き換えると、より言葉の意味やイメージがつかみやすいかもしれませんね。
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哲学用語としてのレゾンデートル
次に哲学用語のレゾンデートルについて解説します。
小難しい感じがする言葉ですが、言葉の成り立ちさえわかってしまえば意味はとてもシンプルで簡単です。
一般的に使用されるときは「人やモノの存在する価値=固有の役割」といった意味合いでしたが、哲学用語ではどのように使われているのでしょうか。
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サルトルの実存主義とは
哲学用語のレゾンデートルを理解するためには、サルトルの実存主義というものについて簡単に理解しておく必要があります。
実存主義とは、モノは目的(本質)をもって作り出されることで「実存」するけれど、人間は「実存」してから目的(本質)を獲得していくものだという考えかたです。
具体的に言うと、ハサミは「切る」という目的(=本質)もって作り出されますが、人間は生まれたときにこれといった「目的(=本質)」を持たない。つまり「実存していること」が先なんだという考え方です。
実存主義は哲学なので、「人間」について考える学問です。
人間は「まず実存する」から「実存主義」というわけです。
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実存は本質に先立つ
人は生まれてすぐ「なんのために存在しているか(本質)」が決まっているということはないのだから、そこはあとから出来上がっていくものだということです。
実存主義を象徴する言葉ですね。
これこそが実存主義のいう「レゾンデートル」というわけです。
存在意義と訳されますが、人間の本質と言い換えることもできるでしょう。
この考え方は、「人間は生まれながらにして役割を持っている」という一種の宗教的な考え方とは対立しています。
実存主義が唯物論や無神論と親和性があるのはこのためです。
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まとめ
レゾンデートルの一般的な使いかたから、哲学用語としての意味を解説してみました。
人間とモノではレゾンデートルの生じる順序がちがうということがわかっていただけたでしょうか。
このあたりを理解して使えば、レゾンデートルという言葉をきちんと使いこなせるようになりますよ。
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