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日本を代表する歴史書と言えば古事記と日本書紀ですね。

この2つの歴史書は天武天皇の命により、同時期に作成されました。

しかし、その内容や編纂目的が大きく異なっていることはご存知でしょうか?

今回は、古事記と日本書紀の内容や目的の違いについてわかりやすく解説させていただきます。


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古事記と日本書紀の違いとは?

古事記と日本書紀の違い
(古事記と日本書紀は「誰向けに作られたか?」で違いがある)

古事記と日本書紀の一番の違いは、編纂の目的(つまり何のためにこの書物を作ったか?ということです)にあります。

古事記は「日本国内向け」に作成され、日本書紀は「国外に向けて」作成されたと考えられます。

「同じ歴史について書くなら、1つにまとめれば良かったのに。」や「国内外に分ける必要はあったのか?」と思われる方も多いかと思いますが、2つに分けた理由はきちんとあったのです。

①古事記はなぜ国内向け?

まずは古事記について。

古事記が国内向けに作られた1つの目的として、「天皇家が日本全体を支配することの正当性」を主張するということにありました。

当時の日本では歴史というものが広まっておらず、各地の伝承だけが頼りで「なぜ日本という国は誕生したのか」や「その日本をなんで天皇家が統治しているのか」という疑問が広まっていたのです。

そこで、「後世に真実の歴史を伝えよう!」という目的で古事記は編纂されたというわけです。

天皇家の支配を正当性して、「天皇家が日本を治めているのは当然のことだ」と主張するために古事記は作成されたのです(国内向けであることは後で説明するように文体からも明らかです)

古事記は誰がどうやって作った?

古事記は国内向けに、天武天皇の命で稗田阿礼と太安万侶によって編纂されました。

古事記以前にも、500年代に編纂された「帝紀」や「旧辞」という歴史書はありましたが、編纂から長い年月が経ちそれらの真実性は失われていました。

古事記には日本創生から神の出現、天皇家の誕生、6世紀の推古天皇(628年)が日本を治めるまでの経緯が記されています。

全3巻と短く、物語調で記されてドラマチックな印象があり、日本国民にわかりやすく理解してもらうための工夫がこらされています。


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②日本書紀はなぜ外国向け?

古事記と違い、日本書紀は国外(主に中国や朝鮮半島)に「日本とはこういう歴史を歩んできた」ということをアピールするために作成されました。

なぜそんなアピールする必要があったのでしょうか?

当時の日本(倭国)は中国との外交が盛んで、多くの使者が中国に渡りました。

しかし、中国の朝廷に「日本からの使者です」と申し出ると追い返されることが多くありました。

実は、当時の中国の朝廷では、「日本と倭国は異なる国」という認識が広まっており、「日本というわけのわからない国がやってきた」という印象を持っていました。

そのため、日本の歴史を明確に伝えて「倭国=日本」を証明するために、日本書紀が編纂されました。

日本書紀は誰がどうやって作った?

日本書紀は国外向けに、天武天皇の命で皇族の舎人親王(とねりしんのう)を中心に編纂されました。

歴史をわかりやすく伝えるために、出来事を年代順に記載する編年体で作成されました。

内容としては、日本創生から持統天皇(703年)までの出来事や朝鮮半島での出来事と古事記と重複する点はあります。

しかし、日本書紀は全30巻+系図1巻と古事記の10倍のボリュームがあり、古事記の編纂期間が4か月であったのに対し日本書紀は39年と非常に長い時間をかけて編纂されており、当時の日本にとって日本書紀の編纂つまり、対外政策がいかに重大なプロジェクトであったかが伺えますね。


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古事記と日本書紀で文体はどう違う?

古事記と日本書紀は国内向け、国外向けという事情を反映して、それぞれ文体が少し異なっています。

具体的には文体は以下のように異なります(国内と国外を意識した文体の違いが大きく表れていますね)

 

古事記と日本書紀の文体の違い

  • 古事記:和化漢文(日本語の音を漢字で表記文体) 
  • 日本書紀:漢文(日本、中国、朝鮮半島で当時使用されていた文体)

 


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古事記と日本書紀の神話描写で違いがある部分って?

神話描写についても、古事記と日本書紀で少し異なってきます。

 

古事記と日本書紀の神話描写の違い

  • 古事記:大国主命のエピソードが豊富(「因幡の白うさぎ」などの出雲神話を重視)
  • 日本書紀:エピソードのほとんどを省略

 

やはりこちらにも、国内外の意識の差がみられますね。

古事記に神話が多いのは、やはり神様の存在を日本国民に意識させるためで、日本書紀に神話が少ないのは、歴史を正当に伝える必要があったからだと考えられます。

まとめ

今回は、古事記と日本書紀の内容や目的の違いについて説明させていただきました。

ごく簡単にまとめると、古事記は国内に天皇家支配の正当性を広めるために作成され、日本書紀は国外(中国、朝鮮半島)に対して日本の歴史を証明するために作られたという違いがあります。

古事記も日本書紀も現代語訳されているので、これを機会に日本の歴史や神話に触れてみるのも面白いですよ。


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