「ものは言いよう」という言葉は誰もが知っていますよね。

同じ物事でも言い方で意味が違ってくるという意味の言葉ですが、これを心理学や行動経済学の言葉で言ったものが「フレーミング効果」です。

気付かないうちにフレーミング効果に騙されていませんか?

「気付いたら損をしている」「言いたいことが上手く伝えられない」

そんな人はこの記事で一緒にフレーミング効果を学んでみましょう。

フレーミング効果の知識を、悩みを解決する材料のひとつにできるはずです。

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フレーミング効果の意味

フレーミング効果

表現の方法によって選択が変わることをフレーミング効果といいます。

よく「有効成分1000mg配合!」という宣伝文句を見かけませんか?

1000mgは単位を変えると1gです。

でも「有効成分1g配合!」とは書きませんよね。

これは1000mgの方が多く感じるからです。

このような巧みな表記に騙されて買おうと思っていた製品と違うものを買ってしまったりすると、それがフレーミング効果になります。

フレーミング効果を狙った表記はスーパーなどのお店に大量にあるので、あなたもお店では常にフレーミング効果の危険にさらされていることになります。

あなたも気付かないうちにフレーミング効果を起こしているかも?

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フレーミング効果の心理学的定義

まずフレーミング効果の心理学的定義に触れておきましょう。

フレーミング効果の意味を正しい意味はこのようになっています。

「問題の見せ方によって、その対処が変わってしまうこと」

例えば他の成分はまったく同じ栄養ドリンクが2本売っていたとします。

  • ドリンクA:タウリン1.5g配合
  • ドリンクB:タウリン1.2g配合

これなら100人中100人のお客さんがドリンクAを買いますよね。

ですがもしこうだったらどうでしょう。

  • ドリンクA:タウリン1.5g配合
  • ドリンクB:タウリン1200mg配合

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書き方は変わりましたが含まれるタウリンの量はさっきと変わりません。

もしこれでお客さんがドリンクBを買ってしまった場合、「問題(どちらの栄養ドリンクを買うか)に対する対処(どちらを買ったか)が変わってしまった」ことになり、フレーミング効果が起こったことになります。

でも誰がどう見ても買うべきなのはタウリンの多いドリンクAですよね。

「問題の表し方のせいで、第三者が客観的に見て合理的ではない判断をしてしまうこと」

心理学的にはフレーミング効果はこのようになります。

「感じただけ」ではなくそれが「行動に影響する」と一気に意味が重くなるんですね。

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「アジアの疾病問題」を例に効力を解説!

「でもフレーミング効果と言ったってちょっと多く感じたり少なく感じたりするだけでしょ?」

「大したことないじゃん、自分は騙されないよ」

そう思った方も一呼吸置いて、次の「アジアの疾病問題」を見てからもう一度お考え下さい。

「アジアの疾病問題」はフレーミング効果は存在するいうことを証明するために行われた実験です。

内容は以下の通り。

問1

アジアで発見された未知の疾病に600人がかかった。

あなたが疾病対策の席二者だったとしたら、治療Aと治療Bどちらを選びますか?

  • 治療A:600人のうち200人が助かる。
  • 治療B:3分の1の確率で600人が助かるが、3分の2の確率で誰も助からない。

この実験では治療Aが約70%、治療Bが約30%選ばれましたが、問2では選択肢が変わります。

問2アジアで発見された未知の疾病に600人がかかった。

あなたが疾病対策の席二者だったとしたら、治療Aと治療Bどちらを選びますか?

  • 治療C:600人のうち400人が死ぬ。
  • 治療D:3分の1の確率で誰も死なないが、3分の2の確率で600人が死ぬ。

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さあ予想してください、治療Cと治療Dはどちらの方が多く選ばれたと思いますか?

正解は治療Dが約80%選ばれました。

ここで注目して欲しいのは、治療Dと治療Bは書き方が違うだけで内容はまったく同じということです。

選ばれた割合は50%も違うのに!

同様に治療Aと治療Cも内容は同じですね。

なので実は問1も問2も問題の内容はまったく同じだったということになります。

どうでしょう、治療の書き方を変えるだけで50%も結果が変わってしまいました。

フレーミング効果の意外な効力の強さにビックリしませんか?

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フレーミング効果とプロスペクト理論の違い

もう少し深入ってプロスペクト理論についても学びたいという人向けの見出しです。

前後半に分けて解説いたします。

長くなるのでさっくりとフレーミング効果だけ知りたいという方は下の大見出しを見てくださいね。

プロスペクト理論の概要:前半

まず「プロスペクト理論って何?」というところから見ていきましょう。

  • 益=いくらもらえるか
  • 罰則=いくら失うか
  • 確率=利益と損失がそれぞれどのくらいの確率で与えられるか

これらが全てわかっているときに人がどのように行動を選択するかを示したモデル。

それがプロスペクト理論です。

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例えばあなたの前に2つのサイコロがあって1回だけ振るとします、想像してみてください。

  • サイコロA:振るだけで1万円もらえる
  • サイコロB:奇数の目が出れば2万円もらえるが、偶数の目が出たら何ももらえない。

この2つのサイコロのどちらを振りますか?と人に尋ねていきます。

  • サイコロAは利益1万円、損失0、確率は100%
  • サイコロBは利益2万円、損失0、確率は50%

これらが全てわかっているので、先程の条件には当てはまっていますね。

なのでここでこの問いを尋ねた人の答えがそのまま「プロスペクト理論の例」になります。

ちなみにどちらが多く選ばれると思いますか?

正解はもちろん、サイコロAです。

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プロスペクト理論の概要:後半

ここでひとつ条件を付け加えてみましょう。

「あなたは今2万円の借金があります、サイコロAとサイコロBどちらを振りますか?」

このように変えるとなんと結果はサイコロBを振る人が多くなります。

何故だと思いますか?

これは「人間の思考は極力損失を避けようとする」という性質があるからと言われています。

例えば借金がないときは確実に1万円もらえるサイコロAを振ります。

サイコロBを振って、もしサイコロAを選んでいれば確実にもらえていたはずの1万円を手に入れられなかったら、それは損失になりますよね。

Aは損失がなく、Bはもしかしたら損失が出るかもしれない。

だから期待値上では同じサイコロでも、Aが多く選ばれるというわけです。

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ところが2万円の借金ができた場合、今度はどうにかしてこの借金をなくそうと考えます。

その結果、一攫千金で2万円の損失を一気になくしてしまえるサイコロBの方が、どうしても損失を半分しかなくせないサイコロAより魅力的に映り多く選ばれるというわけです。

このように利益と損失とそれぞれの確率の内容次第で、人がとる行動は変わります。

今回の例では借金、つまり損失をあえて付け加えることで確率が低いサイコロを振るという選択をとらせることができました。

損失が増えると、利益が増えると、確率が増えると、今度はどんな選択をするようになるだろう?

このような様々な条件下での人間の行動意思の決定様式を表したものが「プロスペクト理論」です。

そしてそれを調べた結果出てきた「人は損失を避けようとする」という性質が最大の特徴でもあります。

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フレーミング効果とプロスペクト理論の関係

前の見出しでお話しした「アジアの疾病問題」のことを思い出してください。

内容は同じだったのに選択の割合が大きく変わってしまった治療A・Cと治療B・D。

多く選ばれた選択肢と選ばれなかった選択肢では、具体的にどのような書き方の違いがあったのでしょうか?

多く選ばれた治療Aと治療Dは「200人が助かる」「3分の1の確率で誰も死なない」と、「損失の予防」に注目して書かれています。

一方治療Bと治療Cは「3分の2の確率で誰も助からない」「400人が死ぬ」と「損失が生まれる」ことを強調した書き方です。

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もうおわかりですね。

損失を防ぎたいというプロスペクト理論の特徴が働いたから、治療Aと治療Dは多く選ばれたのです。

治療AとC、治療BとDはまったく同じ内容なのに。

このように、プロスペクト理論はフレーミング効果の根拠のひとつになります。

プロスペクト理論を用いてフレーミング効果の原因を説明できるということですね。

ちなみにプロスペクト理論とフレーミング効果を提唱した学者は同じ二人組です。

そのうちの1人、ダニエル・カーネマンという人物は、このプロスペクト理論で2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

プロスペクト理論は経済行動だけではなく、政治的な変化について考える上でも非常に有用なわくぐみなのです。

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フレーミング効果の使い方

では実際にフレーミング効果を知るとどんなことに役立つの?

ということを簡単にご紹介していきます。

仕事に活かす

フレーミング効果の主な活躍の場は行動経済学、つまり人に商品やサービスを買わせるためのテクニックです。

例えば私も最初の方に「フレーミング効果を狙った表記はスーパーなどのお店に大量にあるので、あなたもお店では常にフレーミング効果の危険にさらされていることになります。」と言いました。

製品を作ったり売ったりする方は年額36500円を日額100円と書いたり、2個買うと両方50%オフを2個買うと片方無料と書いたりと、様々な工夫で他の製品を出し抜こうとしています。

これらの数の錯覚自体はシャルパンティエ効果と言うのですが、このシャルパンティエ効果にやられて買う製品を変えるとフレーミング効果が起きたことになります。

ですがほとんどの製品がシャルパンティエ効果を使っているので、どの製品を選んでも結局フレーミング効果が起きるんですね。

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なので「あなたもお店では常にフレーミング効果の危険にさらされていることになります。」というのは嘘ではないですが実際はほとんど意味のない文章です。

「商品はあなたに買ってもらうために様々な工夫をしています」とほぼ同じ意味の文章になります。

でもこうやって言った方が「私ってもしかしたら気付いてないうちに騙されてるのかも?この記事を読んで騙されないようにしたい!」と思って読んでもらえると思いませんか?

このように、商品やサービスを買ってもらうために人の不安を煽るというのはフレーミング効果を狙ったよくあるテクニックです。

ただやりすぎると不快感を与えてしまうので、さじ加減には気を付けましょうね。

セールスのチラシやCMを見過ぎると疲れてくるのも不安を煽られ続けるのが原因です。

逆にネガティブな面をできるだけ誤魔化してポジティブに言い換えることも方法もありますが、売りたいサービスや製品によって両方使い分けることが良いでしょう。

こちらは買ってもらってから「こんなデメリットは知らなかった」と言われるリスクもありますからね。

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生活に活かす

正しいことを言われたのに傷ついたことはありませんか?

言い方が悪かったせいだとしたら、それはフレーミング効果です。

正しいということは力があるということなので、正しいことを人に言うときには細心の注意を払わなくてはいけません。

正しさはちょっとのことで人を傷つけることがあります。

言い換えればフレーミング効果が起こらないようにすることが難しいということです。

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ですが正しいことなだけあって、それはとても大切なことであることが多いです。

大切なことは伝えなくてはいけません、どんなに難しいときでも。

普段の生活の中でのコミュニケーションでもフレーミング効果はたくさん起こります。

何かを伝えるときにフレーミング効果が起こらないようにできるだけ気を付けることは思いやりです。

傷ついても相手の言ってることは間違ってないと気付けたら「これはフレーミング効果のせいで、自分は勘違いで傷ついているだけだ」と思えるかもしれません。

実際言い方をコントロールすることで相手を傷つけようとする人は居ます。

ですが意図せずに人を傷つけてしまうことが少なくはないのも本当です。

あなたが「傷つきたくない」とか「人を恨みたくない」と思ったとき、フレーミング効果がクッションになってくれるかもしれません。

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まとめ

長くなってしまいましたがいかがだったでしょうか。

「問題の出し方によって、答え方が変わる」

そんなフレーミング効果の紹介でした。

興味がある方は「プロスペクト理論」「認知バイアス」なども検索してみましょう。

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