バーナム効果とは、多くの人に当てはまることを言われたときに、それを「自分のことだ!」と感じてしまう心理のことです。

占い師に「あなたはこういう人です」と指摘されるとなんだかドキッとしてしまいますが、実はバーナム効果を心理テクニックとして応用しているだけのケースもありますから、注意しなくてはなりません。

この記事では、バーナム効果の具体例や、恋愛やビジネスに応用する具体的な方法について紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

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バーナム効果とは

バーナム効果

冒頭でも説明したバーナム効果の内容について、もう少し掘り下げて説明しましょう。

例えば、「あなたは普段ははつらつとしていますが、実は人に知られないように落ち込んでいるときもあるんじゃないですか?」と初対面の人に言われたと想像してみてください。

ひょっとしたら「そんなことない」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、多くの人は「そうそう、そういうときあるんだよな」と思ってしまうことと思います。

上の文章で「はつらつとしている」という表現と、「落ち込んでいる」というまったく正反対の2つの表現が含まれていることに注目してみてください。

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当たり前のことなのに「当たってる!」と思ってしまうのがバーナム効果

まったく正反対の2つの選択肢があって、その2つを両方とも出しているということは、「すべてのケースを含んでいる」のと同じです。

AとBの2つの選択肢しかないときに、「Aの可能性もあり、Bの可能性もありますよね?」と指摘しているわけですから、すべての人があてはまらないわけがないのです。

このように、「実はごく当たり前のことしか言っていないのに、ズバリと本質を指摘しているように思えてしまう」という心理効果のことを、バーナム効果と呼ぶのです。

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バーナム効果の具体例

バーナム効果

上の説明を読まれて、「ひょっとして、世の中にはバーナム効果を使って人をだまそうとしている人がいっぱいいるんじゃ…」と思われた方も多いのではないでしょうか。

そう思われた方は残念ながら大正解です。

特にインターネット上の情報や、通信販売のチラシなどにはこの手の心理テクニックを使った広告手法があふれているのです。

以下ではその具体的な例をいくつか紹介しましょう。

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①血液型診断もバーナム効果を応用したテクニックの一つ

日本人は血液型で性格占いをするのが大好きですよね。

実は、このいわゆる血液型診断もバーナム効果を使った心理テクニックの1つなのです。

例えば、「A型の性格は基本的に几帳面ですが、ある面ではひどくおおざっぱなところがあります」というような指摘をされたとしたらどうでしょうか。

ここでは「几帳面」という選択肢と、「ひどくおおざっぱ」という正反対の選択肢を両方を提示し、「基本的に」とか「ある面では」というようにあいまいな形容詞で表現することによって、「すべての人に当てはまる主張」を作り上げているわけです。

どんな人であってもその日の気分によってものごとを几帳面にやってみたり、おおざっぱに処理してしまうことはあるものですから。

ご存知の方も多いかもしれませんが、「血液型が性格に影響する」ということを信じているのは世界中で実は日本人だけなんですよ(海外で「君はA型だから几帳面だね」なんていったら「???」という顔をされてしまいます)

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②占い師がバーナム効果を心理テクニックとして応用している例

星座占い・誕生日占い・タロット占いなどなど、世の中にはたくさんの占いがありますよね。

これらの占いにも、バーナム効果を心理テクニックとして応用しているものがよく見られます(今度テレビで占い師という人たちが出てきたらチェックしてみてください)

例えば、占いで「あなたには誰にも言えない悩みがあるでしょ?」とか、「あなたは今までの人生で大変苦労されてきましたね」と言われたとします。

このように指摘されると、ほとんどの人が「そうそう」と思ってしまうことでしょう。

しかし、どんな人でも人に言えない悩みの1つや2つありますし、人生で苦労したと感じている経験はあるものですよね。

つまり、これも「ずばり真理を指摘しているようで、実は誰にでも当てはまるようなことを言っているに過ぎない」バーナム効果を応用しているというわけですね。

もちろん、上の占いの例は単純化した例ですから、実際にはもっと複雑な言い回しを使っていることが多いでしょう。

ですが、ほとんどの場合には「誰にでも当てはまることを、さもあなただけに当てはまることのように言っているに過ぎない」バーナム効果を狙った心理テクニックであることを知っておいてください。

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③ビジネスや広告でバーナム効果が応用されている例

ビジネスでもバーナム効果は使われています。

その代表的な例がダイエット商品などを売り込む広告キャッチコピーです。

例えば、ダイエットサプリで「何をやっても長年やせられないあなたへ」というキャッチコピーがあったとしましょう(どこかで見たような売り文句ですよね)

このキャッチコピーでは、「何をやっても」と「長年」という部分にバーナム効果が使われていると考えられます。

ここで、「何をやっても」というのは人によってどの程度の努力を指すのかはわかりませんし、「長年」というのも1年ぐらいと感じる人もいれば、10年以上と感じる人もいるでしょう。

「自分のために作られた商品だ」と思うとそれなか買ってみようか…となりがちですね。

これがバーナム効果です。

あえてあいまいな表現にすることで、多くの人に「自分のための商品だ」と思ってもらい、結果としてその商品を魅力的に感じてもらうことができるというわけです。

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バーナム効果を信じてしまう理由

バーナム効果

上の説明を読んだ方の中には、「自分はこんな小手先のテクニックには絶対だまされないよ」と思われた方もひょっとしたら多いかもしれません。

しかし、上でも見たように世の中にはバーナム効果を応用した広告や詐欺がたくさん出回っているのが現実です。

なぜ、バーナム効果であっさりとだまされてしまう人がたくさんいるのでしょうか?

その主な理由としては、次の3つをあげることができます。

バーナム効果を信じてしまう人が多い3つの理由

  • ①前向きでポジティブな内容で表現されている文章であること
  • ②マルチプルアウトな表現の文章であること
  • ③人は「当たっている部分しか見ない」性質があること

以下で順番に見ていきましょう。

要点を先に説明しておくと、この3つの特徴に該当するような文章を見かけたときには、「ひょっとしてバーナム効果を応用してだまそうとしているのかも…」と一度は疑ってみることが重要ですよ!

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①前向きでポジティブな内容で表現されている文章であること

これは後で見る③とも関連していますが、人は前向きで(ポジティブな)文章に好意的な反応を示す傾向があります。

例えば、「あなたは人とのコミュニケーションが得意ですね」というのと、「あなたはおしゃべりですね」というのは実質的には同じことを意味していますね(どちらも人とたくさん話すのが苦にならないという性質を指しています)

しかし、もし自分がこのように性格診断をされたとしたら、前者の「あなたは人とのコミュニケーションが得意ですね」という指摘の方がすっと頭に入ってくるのではないでしょうか。

このように、どんな人でも、自分の性格や人格については前向きなことを言われると信じやすくなる傾向があるのです。

この点を活用していますので、バーナム効果を心理テクニックとして応用する場合には、できるだけポジティブな文章表現を選択されているケースが多いです。

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②マルチプルアウトな表現の文章であること

上でも見たように、バーナム効果を応用した文章は、「両極端な選択肢の両方に該当するような文章」になっています。

※「あなたは普段ははつらつとしていますが、実は人に知られないように落ち込んでいるときもあるんじゃないですか?」という文章の場合、「はつらつとしている」と「落ち込んでいる」という2つの両極端な選択肢が含まれています。

このような文章のことを「マルチプルアウトな表現」と呼ぶことがあります。

ごく簡単にいえば、「それってすべての人にあてはまるんじゃないの?」ということですね。

マルチプルアウトな表現は、必然的にすべての人にあてはまりますから、「そういえばそうかも」というバーナム効果による心理効果を与えることが簡単なのです。

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③人は「当たっている部分しか見ない」性質があること

上の①でも少し触れましたが、人は「好ましい」とか、「自分に当てはまっているかも」と感じる部分に過剰に反応する性質があります。

例えば、自分で自分のことをハンサムだと思っている男性がいたとして、その男性に「人類全体の30%はハンサムで、70%はブサイクです」というように説明したとすると、その人は無意識に「自分は全体の30%の方に属する人間だ」と判断する傾向があるのです。

もっと簡単な例をあげましょう。

あなたが今いる部屋の中を、ぼんやりとながめてみてください。

その後、一回目を閉じて、今度は「赤いものはどこにある?」と自分に問いかけてから目を開けてみてください。

おそらく、部屋の中にある者の中で、最初にあなたの目に飛び込んでくるのは、赤い色の物体だと思います。

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確証バイアス(脳の働きの一種)を心理テクニックに応用すると、バーナム効果が生まれる

このように、自分が「こうだ」とか、「こういうものがほしい」と直感的に思っている情報に目が行き、その他の情報よりも優先度が高い情報だと感じてしまう脳の働きのことを、「確証バイアス」と呼ぶことがあります。

そして、この確証バイアスを心理テクニックのレベルにまで引き上げると、バーナム効果が生まれるというわけですね。

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バーナム効果を検証した実験「フォアの心理実験」

バーナム効果

経験的にバーナム効果が生じるケースがあることはわかるが、これには科学的な根拠があるのか?まで実験した人がいます。

占いがなぜ当たると言われているのかに興味を持っていたアメリカの心理学者フォアは、ある心理実験を行いました。

まず、実験参加者として集めた大学生に性格診断テストを受けてもらいます。

そして1週間後、テストの結果を学生一人ひとりに渡しました。

しかし、このテスト結果は全員に同じ内容が書かれた紙で、次のような内容が書かれていたのです。

フォアの心理実験で使われた「テスト結果」

  • あなたは他人から好かれたい、褒められたいと思っていますが、自分を自分で批判することがあります。
  • あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
  • あなたは活かしきれていない才能があります。
  • 一見規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になるときがあります。
  • 自分のしたことが正しかったのか真剣に考えることがあります。
  • あなたはある程度の変化を好み、限界に直面したときには不満を抱きます。
  • あなたは自分の考えを持っており、根拠のない他人の意見を聞き入れることはあまりありません。
  • あなたは外向的で愛想がよいときもありますが、内向的になることもあります。
  • あなたの願望には非現実的なものもあります。

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テスト結果を配った大学生たちに「この実験結果に自分がどのぐらいあてはまるか?」を5段階で評価してもらったところ、評価の平均はなんと4.26だったそうです。

みんなまったく同じ内容の性格診断結果を見ているのに、ほとんど全員が「これは自分だ」と信じていたということですね。

こんなにも皆に当てはまる心理実験と結果、作るのに時間がかかったのだろうと思いますよね?

しかし、実はこの「テスト結果」は、新聞の星座占いから星座の部分だけを無視して抜き取ったものなのだったのです。

この実験から、性格診断や占いの文章は、ほとんどのケースですべての人にあてはまる文章をいっているにすぎないということが科学的に明らかになったというわけです。

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バーナム効果の名前の由来

バーナム効果
(映画「グレイテスト・ショーマン」の主人公のモデルにもなっているP・T・バーナム)

バーナム効果の「バーナム」という名前は、実は人名から由来しています。

アメリカの有名な興行師(サーカスや見世物を主宰することをビジネスにする人のことです)P・T・バーナムが残した言葉に、「どんな人にも該当することがある」(おそらく万人受けする見世物があるという意味でしょう)というものがあります。

※2018年にヒュー=ジャックマン主演で映画となった「グレイテストショーマン」は、このP・T・バーナムをモデルにした物語です。

このバーナムの言葉と、上で見てきたようなバーナム効果(この名前がつく前は、上で見た心理学者フォアの名前をとってフォアラー効果というように呼ばれていたそうです)の実験結果に共通点があることから、バーナム効果という言葉が生まれたのが由来なのです。

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【悪用厳禁!】バーナム効果を恋愛や仕事に応用する方法

バーナム効果

ここまでは「他人がテクニックとして使うバーナム効果にだまされないようにするためにはどうしたらよいか?」という視点で説明してきました。

ここからは、あなた自身がバーナム効果を別の人に使うことを想定して具体的な応用方法をご紹介しましょう。

バーナム効果は、恋愛や営業トークのテクニックとして活用することが可能です。

具体的には、まだよく知らない相手との距離を縮めたいときに、バーナム効果を使ったコミュニケーション方法を選択するととても効果的なのです。

以下、バーナム効果を応用する具体的な方法や例文を紹介します。

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バーナム効果を使った恋愛テクニック

バーナム効果

人は自分のことをよく分かってくれる相手に好意を持つという性質があります。

例えば、「あなたはいつもは明るいけど、1人になったときに落ち込んでいるときがあるんじゃない?」と伝えてみましょう。

これを、普段明るい人に言うとより効果的です。

どんなに性格的に明るい人でも、落ち込むことがいっさいない!なんて人はいませんよね。

しかし、それを聞いた相手は「えっ、普段そういう姿を意識的に見せないようにしているのに、この人にはなんでわかるんだろう?自分のことを特別よく見てくれているんだろうか?」と思うでしょう。

自分のことをわかってくれていると思い、あなたのことが気になりだすかもしれません。

ポイントとしては、相手が意識的に「こうしなきゃ」と見せている性格の正反対を指摘して、「つらいときには人知れずこういう状態の時もあるんじゃない?」と伝えることです。

相手は「自分が意識的に見せないようにしている姿さえも見てくれている」と感じることでしょう。

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バーナム効果を使った営業トーク

バーナム効果

営業マンの方がお客さんと信頼関係を構築するときにも、バーナム効果をうまく取り入れることで信頼感をアップさせることが可能です。

ビジネス相手は友達や家族とは違いますから、まだ信頼していない相手には何も話そうとしません。

お客さんにものを買ってもらうためにはまず営業マンとお客さんが信頼関係を構築するところから始める必要があるのです。

ここで、バーナム効果の出番です。

「ひょっとして~か、~という悩みをお持ちではないでしょうか?」とか、「今まで御社では、~について問題が生じたことがあるのではありませんか?」といったように、バーナム効果を応用した営業トークを使いましょう。

こうすることで、顧客に「自分の悩みについて具体的によく分かってくれている、信頼できそうな人だ」と思ってもらえる可能性が高くなります。

以下、具体的な営業トークの例文を紹介しますので、あなたの営業トークにも取り入れてみてください。

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営業トークの実例

例えば保険の勧誘であれば、「ひょっとして、将来に不安を感じたことがあるのではありませんか?」とか「ひょっとしてあなたは、家族に万が一のことがあると考えると心配になったことがあるのではないですか?」というような営業トークを使います。

ポイントとしては、「すべての人がこう思うものです」と感じない文章にするのではなく、「ひょっとしてあなたは~」というように、相手の状況だけを見てズバリ言い当てたような表現を選ぶことです。

すべての人がこう思うものです、という風に伝えてしまうと、相手は「どうせみんなに同じことを言っているんだろう」と敬遠してしまいます。

なので、「ひょっとして~さんは、こういう悩みを感じたことがあるんじゃないですか?」というような表現にするのが効果的です。

相手に「え!どうしてわかったんだろう?」と思わせることができれば成功です。

そこを突破口にして、相手からどんどん情報を聞き出し、「この人は自分のことをよくわかってくれている」と思ってもらうように仕向けていきましょう。

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バーナム効果の活用法:広告キャッチコピーを参考にする

バーナム効果について理解したうえで世の中のチラシなどを見るようにすると、きっとこれまでとは違う世界が見えてくることでしょう。

これまでは単なる「邪魔になるごみ」でしかなかった新聞の折り込みチラシが、明日からすぐに自分の営業トークに採用できる、貴重なサンプルになるわけですから。

もちろん、こういった広告チラシを出すためには企業は広告費を払って大真面目に効果を測定して研究しています。

あなたは企業が一生懸命お金をかけて生み出した「秘伝のキャッチコピー」を、無料でどんどん吸収することができるというわけですね。

実際にあなたの生活で見かける広告キャッチコピーを参考にしてもらうのがベストですが、例えば、次のようなキャッチコピーとよく似たものを見かけたら、スマホで写真をとってストックしておくとよいかもしれませんね。

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例1:電気会社の広告チラシ

「あなたは、電気代を少しでも安くしたいと思ったことはありませんか?」

誰だって電気代は安い方が良いので、ほとんどの人に当てはまりますね。

しかし、「あなたは、~と思ったことがありませんか?(ありますよね?)」と問いかけられると、そのことが気になっている人は「自分のことだ」と思ってしまうものなのです。

例2:ガソリン代が安くなるクレジットカードの勧誘

「ガソリン代が家計を圧迫してないですか?」

これも、お金持ちではない家であれば当てはまる人が多いでしょう。

それに、「家計を圧迫」といっても、どの程度の負担のことを言うかは人それぞれですよね。

お父さんがお小遣いのやりくりが苦しいときに家計が圧迫されていると感じるかもしれませんし、生活費の10%を越えたら家計を圧迫していると感じる人もいるかもしれません。

このように人それぞれ状況は違うのに、「ガソリン代が家計を圧迫してないですか?」と一見あいまいな問いかけをすることが、バーナム効果によって顧客の信頼感獲得の第一歩になるのです。

このように、実績をあげている企業やビジネスマンはバーナム効果を上手く活用していることが多いです。

自宅に無料で入ってくる広告チラシを参考にするだけですから、今日からでもすぐに取り入れることができますよね。

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まとめ

バーナム効果

今回は、バーナム効果の意味や具体的な活用事例についてお話ししました。

この記事を読んでから世の中のいろんなもの(例えば広告チラシ)を見ると、「これもバーナム効果だったのかな?」と思い当たることがあると思います。

バーナム効果は、間違った使い方をすれば人との関係をくずしてしまいますが、効果的に取り入れればあなたの目標に近づく強力な武器になるでしょう。

上手く活用して、人とのコミュニケーションを円滑にし、仕事でのスキルアップにつなげてくださいね!

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