筒井康隆原作の「時をかける少女」は映画やアニメ・ドラマにもなった名作小説です。
この記事では、「時をかける少女」のおおまかなあらすじや登場人物の紹介、一部ネタバレを含む作品内容について簡潔に紹介します。
作品をまだ見たことがないという方は参考にしてみてくださいね。
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「時をかける少女」のあらすじを簡単にわかりやすく!
「時をかける少女」あらすじ
中学3年生の芳山和子は、ある日突然、タイムトリップの能力を身に着けてしまいます。
未来に起こる事故や事件を事前に知ることができるようになった和子は、数々の事故を回避していきます。
二人のクラスメートと共に平凡な学生生活を送っていた主人公に突然ふりかかる非日常。
そんな生活の中で、和子はあるクラスメイトの秘密を知ってしまいます。
その秘密は和子が手にしたタイムトリップ能力にもかかわる問題だったのです。
和子はなぜ、不思議な能力を手に入れる事が出来たのでしょうか?
そして和子とクラスメイトの恋の結末は…?
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「時をかける少女」の登場人物
時をかける少女には、次のような人物が登場します。
芳山和子
この物語の主人公。
中学3年生で、深町一夫や浅倉吾郎とはクラスメイト。
理科室で気を失ってから、突然タイムリープの能力に目覚める。
明るく、面倒みの良い性格。
深町一夫
主人公である和子のクラスメイトで、物静かで温厚な性格。
非常に頭が良く、常に物事を冷静に判断することができる。
あまり感情を表に出さないが、常に主人公をそばで支える存在。
浅倉吾郎
物しずかな性格の深町一夫とは対象的に、感情を素直に表に出すタイプで、本書内では「直情怪行型」と表現されている。
事故にあったが、和子のタイムリープによって助かる。
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「時をかける少女」作品のネタバレ内容
ある日、偶然手に入れたタイムトリップの能力によって日常生活が変わってしまう主人公。
そしてそれは主人公の生活だけではなく、あるクラスメイトとの関係にも変化をもたらすのです。
変化のきっかけはラベンダーの香り
クラスメイトと理科室の掃除をしていた主人公、芳山和子(よしやまかずこ)は、ある物音に気がつきます。
音が聞こえてくる方の教室のドアを開けると、ガラスの割れる音が。
和子の問いかけには何の返事も無く、どうやら誰もいない様子。
ただ、どことなく匂うラベンダーの香りを記憶にのこし、和子は意識を失ってしまいます。
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和子に降りかかる事故
気を失ってから数日後、和子は見舞われたはずの事故を次々と回避できていることに気がつきます。
たとえば、大きな地震によってクラスメイトの浅倉吾郎(あさくらごろう)の家が火事になったり、和子と吾郎が事故に見舞われたりと事件が続くのですが、気がつくと何事もなく日常が続いているのです。
そして和子は自宅の日めくりカレンダーが1日ズレている事に気がつきました。
なにかがおかしい…そこでタイムスリップをしている事を疑いはじめます。
和子の能力はタイムリープ
この話を吾郎ともう一人のクラスメイト、深町一夫に話し、一緒に理科の担任に相談したところ「タイムリープ」の存在が明らかになります。
なぜ、自分がタイムリープの能力を持ってしまったのか…おそらくあの理科室で気を失った時に何か手がかりがあるはず。
そんな時、担任は和子の頭上に鉄骨が落ちてくると嘘を叫びます。
すると和子はその危機感から、自らの意志で過去にタイムリープをする事に成功したのです。
この惨事がきっかけで自由にタイムリープが出来るようになった和子は、あの理科室で気を失った日までタイムリープを行います。
タイムリープが成功し、あの物音の正体を確かめるべく理科室で変化を待ちつづける和子…そしてそこに現れたのはあの理科室の掃除を一緒にしていたもう一人のクラスメイト、深町一夫(ふかまちかずお)でした。
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深町一夫の正体は未来から来た研究者
実は、クラスメイトだと思っていた一夫の正体はケン・ソゴルという未来人で、人々の記憶を操作しながら現代で生活をしていたのです。
一夫はタイムリープの薬の開発者でした。
しかし、過去へのタイムリープは出来ても、未来へ戻る薬を持っていなかったのです。
そのために必要なのは「ラベンダー」。
ですが、一夫のいる未来ではラベンダーはすでに採取が不可能になっていました。
過去と未来のタイムリープを自由にするために、現代でラベンダーを採取する必要があったのです。
しかし、タイムリープの存在は現代人に知られてはいけませんでした。
禁忌を犯してしまった一夫。
知ってしまった和子の記憶を消し、一夫は未来に戻らなければならないのですが…。
「時をかける少女」の結末
一夫は和子に自分が未来人である事、現代人に知られてはいけなかった事、そして和子と一緒に過ごすにつれて和子にひかれていった事を話します。
一夫の告白に気持ちが高まる和子でしたが、一夫とこれ以上同じ時間を過ごす事は出来ません。
未来人である一夫が現代に残れば、時代に混乱が起きてしまう…。
タイムリープの秘密を保管するためには一夫と関わった人から一夫の記憶を消さなければならないのです。
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和子と一夫が選んだ結末
お互いにひかれているのに別れなければならない運命…混乱する和子に、一夫は来世で、違う人間としての再開を約束します。
「また、会いに来る」と約束し、和子の記憶を消してから一夫は未来に帰りました。
一夫の記憶はなくなってしまった和子。
ですが、誰かとかわした再開の約束は和子の胸にいつまでも残り、約束した誰かを待ちつづけているのでした。
まとめ
以上が時をかける少女の簡潔なあらすじです。
時をかける少女は、ひかれ合っている二人を時代が引き裂いてしまうという、ロミオとジュリエット的な切ない悲恋小説といえます。
アニメやドラマだけではなく原作のストーリーを知っていると、より深く物語の内容を理解することができて楽しいですよ。
なお、「時をかける少女」は筒井康隆さんの短編集のひとつなので、筒井康隆さんのほかの作品と読み比べてみるのもおすすめです!
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