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読書感想文の書き方

シカの落ち穂拾い:本文まとめと感想・テスト問題(授業指導案)

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この記事では、中学国語で勉強する「シカの落ち穂拾い」の本文まとめや感想文の書き方、予想されるテスト問題について解説します。

生徒の皆さんは「シカの落ち穂拾い」のテスト対策や自由研究の参考にしてください。

先生方は学校や職場で求められる指導案をまとめる時にも役に立つと思います。

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「シカの落ち穂拾い」本文内容まとめ

シカの落ち穂拾い

サルの採食行動について観察していた筆者は、シカがサルの落とした葉や花を食べている光景を目にした。樹上の動物が落とした食物を地上の動物が採食する行動は「落ち穂拾い」とよばれている。

観察結果から、著者はシカの落ち穂拾いの理由について「春はシカの本来の食物が不足している」「サルの落とす食物の方が栄養価が高い」という2つの仮説を立て、検証した。

仮説を検証した結果、2つの仮説は支持され、樹上で暮らすサルと地上で暮らすシカは、互いにつながりをもって暮らしていることがわかった。

読み取りのポイント

「シカの落ち穂拾い」の本文中には、「観察のきっかけ」「観察からわかったこと」「仮説」「仮説の検証」「考察」という5個の小見出しがついています。

それぞれの部分で説明されている内容が何なのか?を的確にとらえ、話の要点を順番に確認していくのがこの題材を読むときのポイントになります。

また「観察からわかったこと」「仮説の検証」の部分では図表を用いた説明がされています。

これらの図表からどのような情報を読み取ることができるのかも重要です。

図表の読み取りについては、次に説明しています。

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「シカの落ち穂拾い」図表の役割と読み取りについて

図表が用いられているのは「観察からわかったこと」「仮説の検証」の部分です。

作者がわざわざ図表を使っているのは、この図表を通して読み取ることができる情報が重要だからです。

図表は観察や計測の結果を目で見たときににわかりやすいように表現するという役割を持っています。

それぞれの図表が、どういうことをわかりやすく表現しようとしているのか?を考えながら読み取りを行うのがポイントです。

図1の読み取り

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図1で示されているのは「落ち穂拾い」に出会う割合、つまり「それぞれの月」に「1時間の観察時間当たりで何回」落ち穂ひろいに出会ったかということです。

そのため、このグラフでは線が上に向かっているほど「落ち穂拾い」に出会う回数が多かったと判断してください。

実際にグラフを見ると、4月の時が最も多く、その両側の3月と5月はやや多いということが言えます。

観察回数は3月や5月の方が多いのですが、総観察時間で割ると4月が一番多くなるという点には注意しましょう。

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表1の役割

シカが「落ち穂拾い」で採食した植物について、何十種類もある植物の名前を表記したい場合は、本文とは別に一覧表にすることでわかりやすくなります。

その他にも、シカが本来採食する植物と種類を比較をする上でも重要な情報です。

図2の読み取り

図2は、イネ科の草の供給量の変化をグラフ化して表しています。

草の量をグラフにまとめることが何を意味しているのかは、本文から読み取りましょう。

本文の内容を理解すれば「イネ科の草の供給量=シカの本来の食物の供給量」ということが分かるはずです。

表2の役割

文章では具体的な数字を並べたり比較したりするのが難しいので、表2のようにまとめています。

このようにまとめることによって、2種類の情報を互いに比較しやすくなります。

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「シカの落ち穂拾い」感想文を書く時のポイント

「シカの落ち穂拾い」は報告文という種類の文章ですので、通常の感想文とは異なる流れで書くことが望ましいです。

文章の構成としては「疑問点・注目点」→「そう考える理由」→「結論」という流れがいいでしょう。

「シカの落ち穂拾い」から感想文を書く時の順番

  • 疑問点や注目点
  • そう考える理由
  • 結論
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なお、感想文とはいっても「思った」「感じた」などの感情をそのまま述べたような表現は避けたほうが良いでしょう。

この題材で筆者が訴えたいことは、情報に触れたときにどのような意見や考察を引き出すかが重要だということだからです。

あなた自身がどういうことを考えたのか、ということを文章中の情報を具体的に上げながら説明するような感想文にするのが望ましいです。

「シカの落ち穂拾い」感想文の文例

筆者は多くの人々と同様、サルとシカの生活圏の違いから互いに無関係に暮らしていると考えていた。しかし「シカの落ち穂拾い」にたまたま遭遇したことで、「春はシカの本来の食物が不足している」「サルの落とす食物の方が栄養価が高い」という2つの仮説を立てている。

著者はなぜこの2つの仮定を思いつくことができたのだろうか。

考えられる理由は次の4つだ。

 

  • ①サルの観察を長年やっており、ある時期だけシカとの遭遇率が高いと感じていた
  • ②シカが実際にサルの落とした食物を食べていたのを見たことがある
  • ③春先はやせ細っている野生動物は栄養価の高い食物を好んで食べるだろうという予想
  • ④春先に実際に山に入っていたため、春先には下草がほとんど生えていないことを知っていた

 

まずサルとシカについて関連付けて考えるためには、①と②の環境が必要になる。

「春はシカの本来の食物が不足している」という仮説を立てれたのは、④という経験があったからだろう。

また③の予想と④の組み合わせによって「サルの落とす食物の方が栄養価が高い」ために、シカが好んで「落ち穂拾い」をする可能性を見出すことができた。

このことから著者が2つの仮説を導き出せた理由をまとめると、次の2つになる。

 

  • a)実際に現場に出向いて、サルだけではなく環境の観察もしっかり行っていた。
  • b)観察結果から適切な予想を導くことができていた。

 

以上のことから、野外での観察から仮説を立てるためには「目的のものの周囲の環境もしっかり観察すること」「観察結果から適切な予想を行うこと」の2つがポイントになると、私は考える。

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「シカの落ち穂拾い」テスト問題の例と解説

「シカの落ち穂拾い」では、次のようなテスト問題が考えられます。

「シカの落ち穂拾い」テスト問題の例

  • ①サルとシカの関係について:その1
  • ②「落ち穂拾い」に関する仮説について
  • ③シカの体重の変化について
  • ④サルとシカの関係について:その2
  • ⑤研究者としての筆者の夢について

以下、それぞれのテスト問題の解答について解説いたします。

テスト問題例①:サルとシカの関係について:その1

筆者を始め多くの人は、金華山のサルとシカは互いに無関係に暮らしていると考えてきました。そう考えられてきた理由を本文から抜き出して答えなさい。

解答例と解説

サルは樹上を、シカは地上を主な生活の場としているため

サルとシカが無関係に暮らしていると考えられてきたことを述べているのは第2段落です。

そこを丁寧に読めば答えはわかりますね。

テスト問題例②:「落ち穂拾い」に関する仮説について

筆者は、シカの「落ち穂拾い」の理由を考えた時に2つの疑問を抱き、その疑問から仮説を立てました。筆者の抱いた2つの疑問を簡潔にまとめて書きなさい。

解答例と解説

①なぜシカがわざわざサルのいる木の下まで集まってくるのか

②その行動が春に集中するのはなぜか

上記の②の疑問から「春は、シカの本来の食物が不足している」という仮説を、①の疑問から「サルの落とす食物のほうが、栄養価が高い」という仮説を立てています。

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テスト問題例③:シカの体重の変化について

図3から、3月はシカの体重が非常に軽いことがわかりますが、その理由を筆者はどう述べていますか。また、他の調査結果を紹介することでその論を補足していますが、どこで行われた何の調査結果を紹介していますか。

解答例と解説

食物の乏しい冬の間に、秋までに蓄えた体脂肪を消費するため

岩手県で行われたシカの体脂肪の測定結果

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図3の説明の部分で、春先に体重が軽くなる理由が書かれています。

体重が軽くなるのは体脂肪を消費するからであることを、岩手県で行われたシカの体脂肪の測定結果を紹介することでより確実なものとしています。

テスト問題例④:サルとシカの関係について:その2

落ち穂拾いに関する仮説の検証から、シカにとってサルはどのような存在であると筆者は述べていますか。

解答例と解説

食物が乏しく栄養状態の悪い時期に、自力では獲得が難しい、しかも栄養価の高い食物をたくさん落としてくれる、ありがたい存在

2つの仮説が支持されたことを示した上で、シカにとってのサルの存在をこのように筆者はまとめています。

テスト問題例⑤:研究者としての筆者の夢について

筆者は今度どのようなことを調べたいと述べていますか。また、筆者は研究者として、どのようなことを喜びと感じていますか。

解答例と解説

調べたいこと:サルの行動がシカの生活に及ぼす影響の大きさ、シカのほうがサルにあたえる影響

喜びと感じること:動物たちにとってバランスの取れた生育環境を維持するために研究から得られた知識を役立てること

最終段落にまとめられています。

科学的な発見があった時には、必ず新たな課題が浮かび上がってきます。

そうやって積み重ねられた科学的な知識が、環境を守ったり、私たちの生活を便利にするために活かされていくのです。

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「シカの落ち穂拾い」授業の指導案のポイント

「観察→仮説→検証→考察」という、科学的な報告文の内容がきれいに収まった文章です。

このスタイルは、理科や社会科、技術・家庭科にも応用ができます。

小学校の理科でいうと、以下のようになるでしょう。

  • 観察:日向の植物の方が日陰の植物よりよく育っている
  • 仮説:日光が植物の生育に関係している
  • 検証:同じ植物を日向と日陰で同時に育ててみる
  • 考察:日光が植物の生育に関係していることが分かった
  • →なぜ日光が植物の生育に関係するのか?
  • →さらなる仮説と検証

他の教科で習っていることを、このスタイルで文章化する練習をしてみてもいいと思います。

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