税理士資格を持つ人が個人事務所(従業員数人〜10人程度の小規模税理士事務所)で働く場合の平均年収は、転職した初年度であれば年収350万円程度、実務経験3年〜5年程度で年収500万円が実際の相場だと思います。
これだけみると「税理士資格取得の労力に見合ったリターンが得られない…」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、重要なのはここから。
小規模な個人事務所を経験して税理士として仕事ができるようになった後に、どのようなキャリアアップの道を選ぶか?ということが年収アップのためには重要なのです。
キャリアアップを戦略的に進めていけば、30代の税理士であっても年収1000万円というのも決して珍しいことではありません。
今回は税理士資格を持つ人が個人事務所で3年間〜5年間ほど実務経験を積んだ後に、さらに年収をアップしていくための方法について考えてみましょう。
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個人事務所に3年以上勤めた後のキャリアアップ
個人事務所で3年間〜5年間実務経験を積み(多くの人はこの時に同時進行で税理士資格を取得します)、最低限の税理士実務をこなせるようになったら、次のキャリアアップについて考えていきましょう。
その際、いきなり独立という選択をしないことをおすすめします。
税理士資格を取得したい以上、最終的には独立して自分の事務所を持ちたいと考える人が多いと思いますが、安易に独立してしまうと税理士であってもそれほど稼げなくなっているというのが実際のところなのです(こちらの記事も参考にしてみてください↓)
勤務税理士と開業税理士の年収比較:年収1000万円を狙うならどっち?
大手税理士法人で経験を積む
結論から言うと、個人事務所で3年〜5年程度実務経験を積んで最低限の税理士実務をできるようになったら、大手の税理士法人へ転職してさらに専門性を高めることをおすすめします。
大手税理士法人では以下のような需要の高い分野で実務経験を積むことができます。
- 資産税分野
- 医療法人会計
- 国際税務(移転価格税制)
- 上場レベルの大手企業の税務申告
これらの分野で実務経験を積んだあとには、さらに独立という形でキャリアアップをしていってもいいですし、勤務税理士として大手税理士法人でマネージャーやパートナーを目指す、あるいは一般事業会社の経理管理職に転職する…といった道もひらけてきます。
大手税理士法人に採用される可能性はある?
そもそも大手の税理士法人に転職活動をして、採用される可能性はあるのか?という点が心配という方もおられると思います。
結論から言うと、以下のような属性の方であれば、大手税理士法人(外資系含む)であっても採用される可能性は十分にあります。
- 会計事務所での実務経験3年〜5年以上
- 税理士有資格者
- TOEIC600点以上(外資系BIG4の場合)
- 実務経験が上記に満たなければ20代前半の税理士資格者
なお、大手税理士法人の場合、基本的には即戦力採用となりますから会計事務所での実務経験が必須になります。
転職に成功した場合の年収は600万円程度〜のスタートになりますから、マネージャーレベルまで進むことができれば30代のうちに年収1000万円を超えるというケースも決しても珍しくはありません。
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