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「吾輩は猫である。まだ名はない」の書き出しで始まる「吾輩は猫である」は夏目漱石の初期の代表作です。

とても有名な作品なので、作品の最初の部分なら知っているという方も多いでしょう。

ただ、この作品で夏目漱石が伝えたかったことや、結末については知らない人が多いのではないでしょうか。

この記事では、「吾輩は猫である」のあらすじについて簡単に紹介するとともに、ネタバレを含む結末もお教えします(ネタバレ部分については読みたい方だけ読んでくださいね)

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「吾輩は猫である」のあらすじを簡潔に紹介!

「吾輩は猫である」あらすじこの作品では、主人公である1匹の猫が「猫の目線で人間社会を語る」という非常に斬新な手法で作られています。

生まれたばかりの1匹の捨て猫が、あちこちさまよった末、ある英語教師の家に迷い込みます。

すぐに家の女中に追い出されそうになりますが、かわいそうに思った主人(英語教師)はその猫を飼うことにします。

主人の家には、主人の教え子や少し変わった友人がやってきては、あれこれおしゃべりして帰っていきます。

猫の目から見るとそうした人々はとてもこっけいですから、猫は主人の様子や周囲の人たちを観察しては言いたい放題。

最初は、そんな人間たちから距離を置いていた猫ですが、思いを寄せていたメス猫が死んでしまったことで猫の考え方にも変化が生じるのでした。

>>夏目漱石のその他の代表作一覧

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「吾輩は猫である」の登場人物

「吾輩は猫である」には様々な登場人物がでてきますが、ここでは中心となる登場人物を紹介していきます。

「吾輩は猫である」登場人物

  • 吾輩:主人公の猫。珍野家に住みついている。吾輩の1人語りで物語が進んでいく
  • 珍野苦沙弥:主人公である吾輩の飼い主。中学の英語教員。神経質で胃が弱い
  • 寒月:珍野苦沙弥の教え子で理学者。かなりのイケメン
  • 金田:珍野家の近所に住む金持ちの女性。寒月を自分の娘の婿にしようと画策する

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「吾輩は猫である」の結末を含むネタバレと見どころ

この作品は、主人公の猫目線で書かれている点がもっともユニークなところです。

ユーモアがあってクスッと笑ってしまうのだけど、人間の社会をちょっと遠目から見ることで、「こんな視点もあったのか」と考えさせられてしまう場所がたくさんあります。

以下ではこの作品のおもしろいところについてもう少し掘り下げてみましょう(ネタバレを含みますので、これから読み始めるという方は注意してくださいね)

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タイトルが「吾輩は猫である」になった理由

「吾輩は猫である」が、名作と呼ばれ注目されるようになったのは、夏目漱石の友人である高浜虚子(たかはまきょし:詩人)のおかげです。

作品の題を「猫伝」と「吾輩は猫である」のどちらにしようか悩んだ夏目漱石は、高浜虚子に相談しますが、虚子は「吾輩は猫であるにすべき」と主張したといいます。

虚子がいなかったら、「吾輩は猫である」は誕生しなかったかもしれませんね。

この作品も、「吾輩は猫である」というキャッチ―な題だったからこそ、ここまで注目され後世に残る作品になったのは間違いないでしょう。

ちなみに、長年の留学で精神を病んだ夏目漱石を心配して、文章を書くことを進めたのも高浜虚子でした。

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「主人」のモデルは夏目漱石自身

猫が住みつく屋敷の主人である珍野苦沙弥は、夏目漱石がモデルだと言われています。

「吾輩は猫である。名前はまだない」と語る猫が、主人や周囲の人間を客観的に観察するのです。

まるで著者である夏目漱石が、猫となって客観的に自分や周囲の人間たちを観察しているように思えませんか。

近所の金田さんに変なあだ名を付けてこき下ろす場面など、現実世界で言えないことを猫に言わせているみたいです。

猫は、夏目漱石がモデルと言われる主人に対しても、あーでもない、こーでもないと言っています。

自分で自分の悪口を言っているんですね。

そう考えると笑えてくるし、夏目漱石という人がお茶目に思えてきます。

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「吾輩は猫である」の結末

作品の最後で、猫は酔っぱらい水瓶に落ちて死んでしまいます。

猫がお酒を飲むなんて…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この結末は物語を読み解くにあたってとても重要なポイントです。

というのも、珍野家に来た当初の猫は、近所のメス猫に思いを寄せ、自分は猫だとちゃんと認識していました。

しかし、メス猫が死に、その後も人間を観察していくうちに、自分が猫であることを忘れてしまっているふしがあるのです。

猫はまるで悟った人間のように、運命に身をゆだねて死んでゆきます。

このような猫の心理の変化に注目しながら、物語を読み解いていくと、この作品のおもしろみをより深く感じることができますよ。

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まとめ

今回は、夏目漱石の名作「吾輩は猫である」について解説しました。

この作品は、生きていくことに疲れた夏目漱石が、猫目線で人間社会をユーモラスに風刺した小説です。

興味を持った方は、ぜひ原作も読んでみて下さいね。

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