この記事では、梶井基次郎の作品『檸檬』について、あらすじや登場人物を紹介します。
短い作品ですが、その分、注意深く読まないと何を意味しているのかよく理解できない部分もあるので注意が必要です。
この作品は文学通といわれる人たちからも評価されている作品なので、読書感想文のテーマにもおすすめですよ。
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「檸檬」のあらすじを短く簡単にわかりやすく!
この作品は、憂鬱な気分になっている「私」が街をさまようところからはじまります。「私」は、心を慰めてくれるものを探して街をさまよっていました。
いつもなら心ひかれるところも今は入る気分にはなりませんでしたが、ある八百屋には心が引かれます。
そこで檸檬(レモン)を買うと急に幸せな気持ちになり、入るのを避けていた洋書店の丸善へ入って行きました。
幸せな気分になっていた「私」でしたが、丸善に入ったとたんにまた憂鬱になり、お気に入りの画集を開いても読む気になれません。
そこで、ふと思い立ち、棚の上に無造作に積み重ねた画集の上に檸檬を置くと、また明るい気持ちになりました。
「私」は檸檬をそのままにして店を出て行きます。
そして、檸檬の爆弾が丸善を爆破してしまうことを想像して、愉快な気持ちになってまた歩いて行くのです。
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「檸檬」の登場人物は「私」だけ
『檸檬』の登場人物は、「私」のたったひとりです。
「私」は、はっきりと書かれてはいないものの、人生に行き詰ってしまった若者です。
そんな「私」がどうしようもない気持ちのまま、何か気が晴れるものを探し歩き、しまいには檸檬という「黄金色の爆弾」を丸善に置いてくるという物語です。
憂鬱になったことのある人なら、「私」に自分の気持ちを重ねて読むこともできます。
舞台となった丸善では今でも大事にされている作品
『檸檬』の舞台は、京都で、主人公は寺町や京極といった実在の通りを歩き、当時実在した八百屋で檸檬を買いました。
クライマックスの舞台になっている丸善は、現在は日本中にある本屋です。
丸善の京都店では、今でも『檸檬』ゆかりの地ということで檸檬にちなんだ陳列やグッズがあり、丸善のカフェでは『檸檬』にちなんだレモンスイーツも食べることができます。
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「檸檬」で読書感想文を書くときのポイント
『檸檬』をテーマに読書感想文を書く時は、この作品の中で一番謎めいている部分を掘り下げて書くのがおすすめです。
具体的には、なぜ主人公は檸檬を丸善に置いて行くことで愉快な気持ちになったのか?について掘り下げましょう。
ただし、理由は本文には書かれていないので、正解はありません。
その分、自分の思いを重ねてみたり、想像力をふくらませて書くことができますから、オリジナリティの高い読書感想文に仕上げることができるでしょう。
次の項目で「檸檬」をテーマにした読書感想文の例文を紹介していますので、参考にしてみてください。
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「檸檬」読書感想文の例文
主人公がなぜ檸檬を丸善に置いていったのだろうかと私は思いました。主人公は憂鬱な気持ちで画集を読む気にならず、一冊ずつ引っ張り出しては棚に積んでいき、その上に檸檬を置いています。
そして、その檸檬が爆発してしまえば面白いのにと考えています。
爆弾というのは、ふつうは黒だと思います。
だから、檸檬色は明るく元気な色なので、爆発という言葉とは合わない気がしました。
そこが、この物語の面白いところだと思います。
檸檬が爆発したら、黄色い煙が出るだろうと主人公は思ったのかもしれません。
私は、主人公は檸檬を置いて爆発することを想像することで、明るい気分がもっと大きくなるように願っていたのだと思いました。
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まとめ
今回は、『檸檬』のあらすじや読書感想文を書く時のポイントについて紹介しました。
この作品はシンプルなので、主人公に感情移入をして読むことが大切です。
また、小説の舞台やゆかりのある場所が今でも残っているので、実際に足を運んでみると読書感想文も書きやすくなります。
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