小川洋子の代表作「博士の愛した数式」は映画化もされた事で話題になりました。
読んでみたいけど、数式なんて難しい話だったらわからない…と嫌煙されている人もいるのではないでしょうか?
今回は「博士の愛した数式」のあらすじや見どころをわかりやすく解説します!
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「博士の愛した数式」あらすじを簡単に短く紹介!
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「博士の愛した数式」あらすじ
主人公である「私」は、ある初老の男性(博士)の元へ家政婦として派遣されます。事故により記憶が80分しか持てない博士が、数学の概念である「有数愛」について話したことをきっかけに、「私」と博士は共通点を見出します。
この時から、私と私の子どもを含めた、博士と3人の穏やかな生活がはじまったのでした。
そんな生活の中で明らかになる、博士と義理の姉との関係。
しかし、ゆがみができてしまった関係すら、博士はオイラー公式で仲を取り持つのでした。
ある事件がきっかけで博士の記憶はついに1分と持たなくなり、数年後数学教師になったルートとの再会を果たすのですが…。
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「博士の愛した数式」登場人物
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「博士の愛した数式」登場人物
- 博士:数学教授だったが、事故がきっかけで記憶が80分しか持たない身体になってしまう。忘れないように体中にメモを貼り付けている。野球が大好き
- 私:家政婦として博士の元へ派遣される
- ルート:頭の形が「√(数学記号のルート)」に似ているため、博士が「ルート」と呼んでかわいがる
- 未亡人:博士の兄弟の妻であったが、事故で夫を亡くす
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「博士の愛した数式」読書感想文のヒント(ネタバレ含む)
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この物語では数式がキーとなる場面がいくつかありますが、最も重要なシーンで登場するオイラー公式の意味について解説します。
オイラー公式が意味するもの
ある日、私とルート、博士の3人で野球観戦に出かけたところ、博士は熱を出してしまいました。
未亡人からその責任を問われ、私は派遣先を変えられてしまうのですが、その後ルートが博士の家に遊びに行ったことがきっかけで未亡人の逆鱗に触れてしまいます。
ルートが困っているのを見かねた博士はオイラー公式を提示して争いを止めるのです。
オイラー公式ってなに?
オイラー公式とは数式で、π、e、iという調和の取れない3つの記号が0という一つの数字によって調和が保たれるというものです。
3つの記号は私やルート、未亡人の混乱を表していると言えます。
それでは0はなにを表しているのでしょうか…
博士は混乱を抑えるためには愛や許す気持ちが必要だというメッセージをオイラー公式の0という数字にこめたのではないでしょうか。
博士は自分が混乱のきっかけとなってしまっていることをしっています。
もしかすると、混乱の原因になるのではなく3人の絆を深める、つなぎあわせる存在になりたいという思いをオイラー公式の0という数字に込めたのかもしれませんね。
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未亡人の視点で考察する愛
物語は主人公の私の視点で進みますが、物語が後半に近づくにつれて未亡人の存在が大きな鍵になってゆきます。
物語の中で私が部屋の中で見つけた写真や事故の真実から、未亡人と博士は心を寄せあっていたことが明らかになります。
ですが、義理の姉と弟という立場、世間はその愛を許してはくれません。
博士は80分しか記憶が持ちません、一般的には可哀想だと思われてしまうでしょうが、未亡人にとってそれは幸せそのものでした。
博士にとって未亡人は未亡人であり、義理の姉だという関係を覚えていないのですから。
未亡人の嫉妬
突然やってきた私の存在に、未亡人は嫉妬の炎を燃やします。
後半、未亡人は私に「博士の記憶に残ることが出来るのは私ひとり」と完全なる勝利を宣告します。
立場上結ばれることが出来なかった悲しさ、悔しさを乗りこえて、さらには博士の全てを受け入れるとも聞こえるこのセリフからは未亡人の愛の深さが感じられますね。
もし、自分が未亡人の立場であったらどのような行動をとっていたかを読書感想文に書いてみるとおもしろいですね。
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まとめ
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今回は、「博士の愛した数式」の簡単なあらすじや、ネタバレを含む見どころについて解説しました。
「なんだか数学の話で難しそう…」と感じた方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれませんが、原作ではきちんと説明がありますので、数学や数式がわからなくてもすらすらと読み進めることができますよ。
「博士の愛した数式」は映画化もされていますので、原作との違いを見比べてみるのも面白いかもしれませんね!
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