この記事では、「リア王」のあらすじについて簡単にわかりやすく解説します。
リア王は本や舞台にもなっているシェイクスピアの有名な作品ですが、最初から最後まで読み通すのはなかなか大変ですよね。
忙しい方向けにリア王で読み取るべきポイントや名言、ネタバレ内容などについて紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
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「リア王」のあらすじ:ストーリーを簡単に解説!
シェイクスピアの名作「リア王」は、1人の老いた王とその3人の娘の関係を描いた作品です。
ブリテン(現在のイギリス)の王様であるリア王が、自分の3人の娘に領地を分けようとします。
その際、3人の娘に「どれほど自分を愛しているか」を問います。
2人の娘が「父王への愛」を大げさに表現する一方で、末娘のコーディリアはいたって実直な受け答えをしたため、その場で勘当されてしまいます。
その後コーディリアはフランス王妃になる一方、リア王はさまざまな裏切りを受け、ついには発狂し、身一つで荒野をさまようことになります。
リア王の物語は、悪意の見抜けない愚か者の王リアと、実直な性格ゆえにトラブルを起こす末娘を通して、人間世界で起こる悲劇を描いた作品といえるでしょう。
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リア王の理解ポイント:本や舞台から何を読み取るべき?
「リア王」の物語には、2つのストーリーが複雑にからみ合いながら同時進行していきます。
1つは、リア王自身と彼の周辺の人物のストーリーです。
もう1つは、王の臣下グロスター伯の子、エドガーとエドモンドの活躍と2人娘や取り巻きとのストーリーです。
この2つが同時進行していくことで、単なる悲劇では終わらない、壮大な物語がつむがれていくのです。
特にエドモンドは「世紀の悪役」といっても良いキャラクターなので、毛嫌いせずにその「暗躍」を楽しむと良いでしょう。
また一般に「正直者の末娘」と表現されるコーディリアも、「単なる悲劇のヒロイン」ではありません。
こうした点に着目してみるのが、「リア王」をより面白く読み込むためのポイントです。
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リア王の結末(ネタバレ)
ここからは忙しい方のために、リア王の結末についてかいつまんで紹介しましょう(以下、ネタバレになるのでまだ読んでいない方は注意してくださいね)
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リア王の物語では、主要な登場人物が最終的にみんな死んでしまいます。
物語のラストでは、リア王はみんなに裏切られて発狂し、荒野をさまようようになります。
そんなリア王を助けるために、フランス軍とともに父のもとに向かったコーディリアですが、ブリテン軍にリア王ともども捕らえられ投獄されてしまいます。
その後、コーディリアの忠臣ケント伯に助け出されたリア王は、すでに獄中死していたコーディリアの亡骸を抱いて絶叫し息絶えます。
「リア王」の本や舞台に出てくる名言を紹介!
※↑リア王には漫画版もありますよ。
他のシェイクスピアの作品同様、リア王にも数多くの名言が登場します。
ここでは特に有名な名言や、作品の意味合いを左右する名言、さらにはリア王のある謎に関する名言を取り上げてみようと思います。
リア王の名言①:人間はこの世に生まれ落ちるやいなや~
人間はこの世に生まれ落ちるやいなや、阿呆ばかりの大きな舞台に突き出されたのが悲しくて、誰もが大声をあげて泣き叫ぶのだ。When we are born, we cry that we are come to this great stage of fools.
第四幕において、裏切られ、発狂し、ぼろ布ひとつで荒野をさまようリアが、やはり奸計に落ち、両の目をえぐられたグロスター伯と出会ったときに言うセリフです。
リア王という作品の名言として、必ず取り上げられるものにひとつで「赤ん坊の産声」を「これから迎える人生という悲劇に対する絶望」だと表現しています。
リア自身の絶望の深さが感じ取れる名言でしょう。
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リア王の名言②:どれほど自分を愛しているか?へのコーディリアの答え
(リア王の「どれほど自分を愛しているか?」へのコーディリアの答え)「~なにもありません。」
Nothing, my lord.
これは末娘のコーディリアが物語の冒頭、父王の「どれほど自分を愛しているか?」という問いかけに対して放ったセリフです。
コーディリアは父への愛を美辞麗句で伝えることをしませんでした。
実直なために(愛しているが)できなかったという解釈もできますが、「自分を褒めたたえた度合いで領地配分を決める」ような馬鹿げた余興に対し、辟易となっていたとも考えられます。
しかし公の場で、「父王に恥をかかせる」ような態度を取ってしまうコーディリアも、いささか大人げないといえるでしょう。
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リア王の名言③:哀れな阿呆が絞め殺されてしまった
~哀れな阿呆が絞め殺されてしまった。
And my poor fool is hanged!
リア王がコーディリアの亡骸を抱いて言うセリフです。
実はリア王に登場するfool(道化)はコーディリアと同一人物ではないかという説があります。
このセリフも暗に二人を同一人物だと示すためのものではないかと言われています。
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「リア王」と「塩」
リア王という作品は、グリム童話「塩のように大事」とちょっと似ている部分があります。
「塩のように大事」では、ある王が三人の娘に「どれほど自分を愛しているか」問います(この部分が「リア王」とよく似ています)
2人の娘は美辞麗句で答えて王を喜ばせますが、末娘だけは「塩のように大切」と答えます。
末娘は激怒され、勘当されてしまいます。
リア王では最終的に悲劇で終わりますが、「塩のように大事」では最終的に王は改心してハッピーエンドで終わるのが異なりますね。
実際のリア王には上のような「塩」の下りはありません。
多くの人が勘違いしているエピソードのひとつですので、注意してくださいね。
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まとめ
リア王は、シェイクスピアの「四大悲劇(リア王の他にはオセロー・ハムレット・マクベスがあります)」と呼ばれる作品なだけあって、単なる「愚かな王と正直者の末娘の悲劇」では終わらないストーリーです。
読む人によってさまざまな解釈がある点も、この名作ならではの特徴といえるでしょう。
今回の記事でないように興味を持たれた方は、ぜひ一度読んでみてくださいね。
名作中の名作といわれる作品ですから、読んで損をすることはまずないと思いますよ。