最近話題になることが多くなったベーシックインカム制度。

ごく簡単にいうと「年齢関係なしに年金がもらえる制度」のことですが、日本ではまだ導入が議論されるところまでは進んでいません。

一方で、現実にこのベーシックインカム制度を採用するかしないか、国民投票で決めるところまで進んだのがスイスです。

結果としては国民投票でスイスのベーシックインカム制度は否決されますが、実際に実現まぢかにまで議論が進んだことには大きな意義があるでしょう。

この記事では、2016年に行われたスイス国民投票でベーシックインカム制度が否決された理由について解説します。

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ベーシックインカムがスイス国民投票で否決された理由

ベーシックインカム スイス

スイスでは2016年にベーシックインカム制度について国民投票が行われましたが、反対多数で否決されました。

ベーシックインカムが否決された理由としては、おおむね次のようなものが考えられます。

スイス国民投票でベーシックインカムが否決された主な理由

  • ①財源の確保が困難だから
  • ②労働意欲が減退する可能性があるから
  • ③もうすぐ年金がもらえる世代の根強い反対

以下、順番に説明していきます。


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①財源の確保が困難だから

スイスは世界の中でも物価が非常に高い国なので、27万円という金額が最低限度の生活をするのに必要な金額となります。

ベーシックインカム制度が反対された理由として、国民全員に対して、月に27万円の支給をするための財源が確保できないのではないか、という不安がありました。

スイスはEUに加盟しておらず、独自通貨をのスイスフランを発行している国です。

もし、ベーシックインカム導入によって財政が立ち行かなくなってしまった場合には、大規模な国債発行などを行う必要がありますが、その場合にはハイパーインフレに見舞われるなどの危険があります。

また、ベーシックインカム制度が採用されれば国外からスイスに移住する人が増えるという予想もありました。

スイス国民としては、ベーシックインカム目当てで、国外から流入した人にも毎月同じ金額を支給するのは納得できないという意見を持つのは無理もありません。

②労働意欲が減退する可能性があるから

また、ベーシックインカムが導入されると、働きたくない人は働かないでも最低限のお金が入るため、労働意欲が低下するのではないかという意見がありました。

ベーシックインカムが導入されれば、どんな人でも亡くなるまでずっと収入が入りますので、働かなくても生活できます。

そうすると、もとから仕事に積極的な人のみしか働かなくなり、国の税収が落ち込んでしまい、制度を維持できなくなるのではないかということです。

③もうすぐ年金がもらえる世代の根強い反対

ベーシックインカム制度は、年金制度を廃止してその代替として導入するものです。

今までずっと働いてきていて、もう少しで年金がもらえるという世代からすると、ベーシックインカムが導入されると毎月支給される金額が減るわけですので、デメリットの方が大きく感じられてしまいます。

若い世代にとっては魅力的でも、今まで何十年も年金を支払った世代からすると納得できないという意見が多かったようです。

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スイス国民投票で提起されたベーシックインカム法案の具体的内容

スイスで議論されていたベーシックインカム制度は、成人に対しては月に約27万円、未成年には約7万円程度を支給するという内容でした。

スイスは世界と比較して物価が高く、月額27万円という金額は貧困層の定義としても使われています。

つまり、収入が付き27万円を下回る人は貧困層と定義されていますので、毎月最低限度の生活ができる金額が支給されるという法案でした。

スイスには国民イニシアティブという制度があり、10万人を超える署名を集めることで国民投票ができるという仕組みになっています。

ベーシックインカム制度の国民投票もこの国民イニシアティブ制度で行われました。

スイスで行われた世界初の国民投票は否決

この国民当方の結果ですが、賛成が約23%、で反対が約77%で否決されました。

反対票が圧倒的に多かった形で廃案となっています。

まとめ

スイスのベーシックインカム制度の国民投票は、約80%という割合の人が反対に投票しています。

制度としては魅力てきではありますが、実際に国全体に導入するには色々と解決しなければならない問題がありそうです。

ベーシックインカムは日本でも少しずつ議論されるようになっていますので、参考として世界の動きにも注目しておくとよいでしょう。

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