この記事では、中学1年生の国語授業で勉強する「少年の日の思い出」について、テスト問題の解説や授業指導案の紹介をさせていただきます。
言語活動や発問のアイディアが欲しいという方や先生方、テスト対策をする必要がある生徒のみなさんはぜひ参考にしてみてくださいね。
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少年の日の思い出:指導案のポイント(先生向け)
「少年の日の思い出」の授業では、以下のようなポイントを押さえて指導案を考える必要があります。
- ①場面の展開を捉え、人物や情景を描いた表現に着目して作品を読み深める
- ②作品の構成の工夫について、自分の考えを持たせる
この二点について指導者自身が時間をかけて考察した上で生徒に問いを投げかけることが重要です。
以下、それぞれの項目について解説させていただきます。
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①場面の展開を捉え、人物や情景を描いた表現に着目して作品を読み深める
前者では、時系列の流れや場所の変化をもとに場面を分けると非常にわかりやすいです。多くの指導者が行うものとして、本文をいくつかに切り取って考えさせることは扱いの難しい活動ながら、生徒がつけるべき力に基づいた活動といえます。
②作品の構成の工夫について、自分の考えを持つ
後者に関してですが、本文で特に大きな構成の工夫は語り手が変わる点です。
はじめの「私」とその後出てくる「僕」が同一人物でないことは、指導者としては簡単にわかることですが、気づかずに読み進めてしまう生徒は多いです。
この構成の工夫について取り扱う活動を、単元のはじめに行うか終わりに行うかで生徒の学びが変わります。
指導者が授業を進めるにあたって、一番つけさせたい力がなんなのかを考えて構成の工夫についての活動を入れるようにしましょう。
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少年の日の思い出【中1国語】テスト問題例と解説
ここからは「少年の日の思い出」について、テスト問題対策とその解説をさせていただきます。
指導を行う先生側は、指導をする前にどのような目標を考えていたのかをもとに、テストの作成をしましょう。
上でも解説させていただいた通り、「少年の日の思い出」では、
- ①場面の展開を捉え、人物や情景を描いた表現に着目して作品を読み深める
- ②作品の構成の工夫について、自分の考えを持つ
ということを目標としていますので、これらのことが理解できているかについての問題を作成すべきです。
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テスト問題例①:登場人物についての問題
冒頭に出てくる「客」について、少年時代の回想部分では誰のことですか。
本文中から書き抜きなさい。
解答例と解説
僕
この問題は構成が理解できているかを問う問題です。
本文でされている構成の工夫について理解できている生徒については非常に簡単な問題ですが、間違えた生徒についてはテスト終了後しっかりと確認しておくことが重要です。
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テスト問題例②:登場人物の心情についての問題
解答例と解説
幼年時代の思い出を強くそそられるほど熱中したが、一方で嫌なことを思い出す不愉快なもの。
この問題は冒頭部分の「客」の言動から心情を読み取る問題です。
キーワードとしては「熱中」と「不愉快」が挙げられます。この二点について説明し、文末が適切かということで点数をつけるとよいでしょう。
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テスト問題例③:登場人物の心情についての問題
解答例と解説
妬み、嘆賞するほど非の打ちどころがなく、憎い模範少年
「僕」が「エーミール」について述べている部分があるので、その部分の言葉を用いながら説明をします。
キーワードを抑えながら文を組み立てる力がつく問題です。
「模範少年」という言葉があるので、その言葉を文末につけると答えがすっきりとします。
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テスト問題例④:クライマックスについての問題
解答例と解説
すると、四つの大きな不思議な斑点が、挿絵のよりはずっと美しく、ずっとすばらしく、僕を見つめた。
それを見ると、この宝を手に入れたいという逆らいがたい欲望を感じて、僕は生まれて初めて盗みを犯した。
本文で最も気持ちが高まる瞬間がどこなのかを確認しておきましょう。
特に盗みに入る場面は授業でも時間をかけることが多いですから、テストで振り返るべきポイントです。
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テスト問題例⑤:自分の考えを述べる問題
解答例と解説
クジャクヤママユの模様が「僕」を誘っているかのように書かれていて、「僕」の視線がクジャクヤママユだけに集中しているから。
また、「この宝を手に入れたい」と述べていることから、最も気持ちが高まった瞬間であると感じたから。
文中の言葉を用いながら説明できているかがポイントです。
どの二文を選ぶのかということについては比較的選びやすいですが、選んだ理由を自分なりの言葉でまとめることは難しいので、詳しい解説が必要になります。
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少年の日の思い出【中1国語】感想文の例
感想文を書くときは与えられた文字数の中で、上手に本文中の言葉を用いながら感想を述べることが大切です。
評価をする際には、本文のどこでどのような感情になったのか。
また、この文章を読んで自分に置き換えたときどんなことを考えたのかということが書かれているかを見るとよいです。
感想文の例
私は「少年の日の思い出」を読む中で、最後の「チョウを一つ一つ取り出し、指で粉々に押し潰してしまった。」という表現が印象に残りました。
「僕」が少年時代をささげるほど熱中したチョウを、形もわからなくなるほどに壊してしまうところは衝撃的で少し怖いと思います。
「僕」は盗みを犯したことだけでなく、ただただ正しさを見せつける「エーミール」を憎しみ、悔やんだのだと考えました。(182文字)
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